地獄の門観光を終え、トルクメニスタンの首都アシガバッドへ着いた後は、次の目的地トルクメンバシへ移動します。

トルクメンバシはトルクメニスタンの西、カスピ海沿いにある港湾都市。

ここからアゼルバイジャンのバクーへ向かうフェリーが出ています。

が、このフェリーがまた曲者で、不定期船のため便がいつあるのかがよく分からない。

一方トルクメニスタンで滞在できる期間はトランジットビザによる5日間のみ。

ギリギリに行って乗り過ごしてしまうと不法滞在になりかねないため、早めにフェリー乗り場まで向かわなければなりません。

 

 

アシガバッド駅で寝台列車のチケットを買う

チケットは出発日当日、宿をチェックアウトしてから買いに行きました。

まずはアシガバッド駅まで行きます。

ウズベキスタンと同様、トルクメニスタンでも鉄道駅のことはWOKZAL(ヴァグザール)と呼びます。

 

これまた真っ白い建物。

チケット売り場はこの駅舎に向かって右側(東側)の別の建物にあります。

確か建物にKASSAって書かれています。

中に入ると窓口がいくつか並んでいて、結構混雑しています。

電車のスケジュール表も掲示されており、トルクメンバシ行きの寝台列車は17:10と21:00発の2回あるよう。

日付、出発時刻、トルクメンバシと書いたメモを窓口のお姉さんに見せると、首を横に振り、ノーっぽいことを言われ、どうやら買えない様子。

げ、もし買えないとなると結構ヤバイ。

トルクメニスタンは5日間有効のトランジットビザで入国しているため、移動が1日遅れただけでも影響が大きい。

滞在期間をオーバーすると高額な罰金を払わされてしまいます。

英語が通じないから何言っているか分からない・・・

 

パルスキー(ロシア語のこと)、ノー・・・

アングリスキー(英語のこと)!

と困っていると、お姉さんが英語が話せる知り合いか誰かに電話をかけて、僕に携帯を渡してくる。

中央アジアやコーカサスなど英語が通じづらい地域では、こういうやり方で通訳をはさむ人が多いです。

が、その人も片言の英語で何言っているかはっきりと分からない。

何度か聞き返して確認してみると、

  • 今はチケットを買うことはできない
  • 15分後くらいに再度確認してくれ

ということを言っているよう。

 

ということで、少し待ってから、今度は別の窓口に並んで再トライ。

すると今度は速攻で買うことができました。

 

アシガバッド → トルクメンバシ行き寝台列車: 25マナト(約816円・公式レート)

 

闇レート(1USD=6.2マナト)で両替してるんで、実質450円くらいでしょうかね。

安いです。

出発時刻や車両番号なんかが絵で表示されてるんで言葉が分からなくても理解できますね。

2017年6月21日19:00発、車両番号が19で座席番号が22。

 

なかなか快適なトルクメニスタンの寝台列車

出発1時間前に駅に行き、食料品を買い込みます。

少し待っているとホームに列車が入ってきました。

自分の車両までダッシュします。

 

トルクメニスタンの寝台列車はかなりハイクオリティ。

エアコンガンガンきいてるし絨毯も敷いてあって高級感出てます。

 

客室は1コンパートメントに二段ベッドが2つ。

なかなか広いです。

 

快適だしゆっくり爆睡するか〜と思いきや・・・

 

この少年がわんぱく過ぎてなかなか寝られない・・・

ワーワー泣き続けてたかと思うと、僕らの飲み終わったペットボトルを奪って遊び始めます。

お母さんの方も疲れてきたのか、何故か子供の相手を僕らに任せようとする。笑

 

約3時間のバトルの末、ようやく寝てくれました。

 

 

トルクメンバシでカスピ海フェリー待ち耐久戦

アシガバッドを19:00に出発した寝台列車は、翌朝9:00頃、トルクメニスタンの西の果て、カスピ海沿いの港町トルクメンバシへ到着しました。

 

フェリー乗り場は確かここら辺。

地図で見ると近そうですが、ぐるっと大回りしていかなければならないので徒歩で行くと結構大変です。

1〜2マナトなんでタクシー使った方がいいかも。

 

PAROM(パローム/フェリーの意味)!

BAKU(バクー)!

 

って言えば伝わると思います。

 

フェリー乗り場の入口。

ここでパスポートチェックがあります。

また、この辺りには売店などが全然無いため、食料品は駅前で買っていきましょう。

 

奥へ進むとこんな建物が出てきます。

PAROMって書かれていますね。

ここにチケット売り場、待合室が入っています。

 

こんな何もない、ベンチだけがぽつぽつ置いてある待合室に到着したのは10:00過ぎ。

 

さて、ここからカスピ海フェリー乗船待ち耐久戦スタートです。

実はこのフェリー、客船ではないんですね。

トルクメニスタンとアゼルバイジャンとの間を航行している貨物船にお金を払って乗せてもらうという裏技的(でも割とメジャーな)な移動方法なのです。

しかもこの貨物船が不定期でスケジュールが全然分からない。

週に何便あって、何時に出るのかも情報が公開されていません。

過去にここに来た旅人の情報を調べても、スムーズに乗れた人から2日以上待ち続けた人まで様々。

完全に運任せです。

いや、もしかすると現地の人であれば調べる術を知っているのかもしれませんが・・・

 

トルクメニスタンに滞在できる残された期間はあと2日をきっています。

何とかこの日の夜〜翌朝までにはトルクメンバシを出たい・・・

待合室には先客でトルクメニスタン人のおばちゃんがおり、同じくバクー行きのフェリーを待っているよう。

ロシア語で、「今朝ここに来た」みたいな言葉が聞き取れたなんで、昨日から待っている人はいないよう。

 

ひとまず、まだチケット販売している気配はなかったので、ベンチに横になって仮眠を取ります。

ハエがめちゃめちゃ多くてなかなか寝られないですこの待合室。

2階にレストランがあると聞いていたのですが、このときは閉まっていました。

 

ウトウトしていたら待合室の人が増え始めザワザワし出し、お昼過ぎに目が覚めました。

お、何か今日中に出航する雰囲気。

するとイミグレの係っぽい人に、

チケット買ってきなさい!

と言われたので窓口の方に行ってみます。

 

 

待合室の対面にチケットオフィスと書かれてある窓口があります。

 

ここでパスポートを渡すと、チケットの予約券のようなものをくれました。

良かった、とりあえず今日中に乗船できそうだ・・・

 

その後、更に待っていると、ロシア人らしき団体ツアー客のような人達もたくさん待合室に入ってきました。

貨物船に乗る人なんてほとんどいないと思ってたので結構びっくり。

15:00頃、係の人が税関申告書を配り始めます。

これは入国時に書いたやつとたぶん同じでしたが、英語表記のものが無いため一瞬テンパります。

ロシア人ツアーのガイドっぽい人が少し英語を話せたので教えてもらって何とか埋める。

15:30頃、待合室の中にあるイミグレらしき部屋が開かれ、出国手続開始。

手続はスムーズで、パスポートに出国スタンプが押されると、一安心しました。

 

うわ、めっちゃ貨物船・・・笑

僕は船に乗って国境を超えるのも、貨物船に乗るのも人生初めてです。

旅っぽくてワクワクしますね。

 

トルクメンバシ → バクーまでの貨物船チケット: 80USD

 

まあまあのお値段。

乗船の際に乗船代金とパスポートを貨物船のスタッフに渡します。

なお、パスポートはバクーのイミグレで返してもらえます。

 

参考までにあとでもらったレシート。

 

 

こんな感じで何とか無事乗船完了です。

トルクメニスタン旅の最後の関門を難なく突破できたのは良かった。

何もないところで長時間待つことほど辛いことはないですからね。

 

 

と思ったのもつかの間、実は乗船してからがまた大変だったのです。

 

 

つづく