※2017年12月頃の情報です。
なんだかんだ1週間近くもだらだらしてしまったルワンダのキガリを出て、タンザニアの首都ダルエスサラームまで一気に行くことにしました。
ダルエスサラームはアフリカ大陸東の港街なので、キガリからは超遠いのですが、道中立ち寄りたい街も特に無いし、大都市だから直行するバスくらいあるだろう、と思ったのです。
しかしながらその選択肢が誤り。
この旅史上、最も過酷な移動になるとは・・・
まとめ
移動手段:バス
出発地:ルワンダ・キガリ(タクワバス・オフィス)
目的地:タンザニア・ダルエスサラーム(ウブンゴバスターミナル)
料金:キガリ→ダルエスサラーム:35,000フラン(約4,320円)
所要時間:
キガリ→ラッサモ(国境):5時間(2:00発–7:00着)
ラッサモ(国境)→カハマ:8時間(9:00発–17:00着)
カハマ→ダルエスサラーム:16時間(6:00発–22:00着)
結論から書くと、キガリからダルエスサラームまではワンストップでは行けませんでした。
ですよね・・・1,500kmくらいありますし・・・
深夜にキガリを出た後、その日中に到達できたのはタンザニアのカハマ(Kahama)という町。
翌朝カハラを出て夜中にタンザニアのダルエスサラームのウブンゴバスターミナルへ。
キガリから丸2日かかった感じです。
移動の様子
キガリでバスチケットを買う
昔書かれた、他の旅人の方のブログを参考にニャブゴゴバスターミナルでダルエスサラーム行きのバスチケットを探すも、全然売っているところが無い。
周囲の人に聞いても、
ダルエスまでは遠過ぎてダイレクトには行かないよ。
途中の街まで行って乗り換えた方がいいって!
とのこと。
このとき大人しく従っておけば良かったです。
最終的にダルエスサラーム行きのバスチケットを見つけたのはバスターミナル北側の交差点付近にあったタクワバス(Taqwa Bus)のオフィス。
出発は深夜2:00。
国境で乗り換えが必要だけど、大きなバスでダルエスサラームまで行くよ。
というのが事前に受けた説明でした。
まず国境で降ろされる
というわけでまだ眠い中、キガリを出発。
迎えに来たのは大きめのバン。
特に不満は感じず、この車両で行ってくれるなら別にいいやって思ってました。
また、途中、キガリの新市街地を通過しましたが、近代的なビルや道路が綺麗に整備されており、圧倒されました。
今までのアフリカのどの都市よりも整っている・・・
そんな感じで途中キガリ内のバスターミナルに停車し、追加で客を乗せてから再度出発。
当然爆睡。
日が昇り国境に着いたのは朝8:00くらいです。
乗り換えなので荷物は全部持っていかなければなりません。
タンザニア入国へはビザが必要ですが、僕らはキリマンジャロやザンジバルなどの観光はせず、そのままマラウイへ通過していく予定だったので、イミグレでトランジットビザを希望してみました。
なんでお前らはトランジットビザなんだ?
ザンジバルには行かないのか?
どこへ行きたいんだ?
とか色々突っ込まれましたが、なんとか説得してトランジットビザ取得。
タンザニア・トランジットビザ(5日間有効): 30USD
普通の観光ビザよりちょっと安いです。
なお、トランジットビザだとザンジバル行きのフェリーに乗れません。
あとでここでイエローカードの提示を求められるので準備しておきましょう。
で、国境を通過したところで、次のバスを待ってみます。
乗り換えがあるところまではとりあえず想定内。
しかし全然迎えが来る気配が無い。
近くにいた売店でコーラを買って飲みながら、ダルエスサラーム行きのバスが来ないか聞いて回る。
え、ダルエスサラーム行きのバスなんてここから出てないよ?
知らないな・・・今日はもう終わっちゃったんじゃないの?
え、マジかよ・・・もしかして騙された?
まさか国境地帯に置き去りにされるのでは?という不安が増大していきます。
しかし一応他にもバスを待っているらしき現地人がいるし・・・
と、困りながら1時間くらい待っていると、
お前らのバスチケット見せろ、これに乗れ!
とよく分からんおっさんがやって来ました。
地獄のプリズンバス
どうやらメイドインジャパンの介護施設の送迎バスが迎えに来てくれたようです。
助かったか?
しかしどう見てもこんなに人が乗れるバスには見えないんだけど・・・
マダガスカルのタクシーブルース以下のサイズの車に20人近くを押し込もうとしています。
そもそもこれどこに行くの?
あとビッグバスが来るって話だったんじゃなかったか?
いいから乗れ!
これ乗らないともう今日はバスは無いぞ!
というわけで地獄の大移動開始です。
ご覧のとおり人口密度が異常な車内。
座席は狭く、背もたれも小さい。
全員を乗せるために、隣の人と足を互い合わせにしろと言われて打ち込まれました。
図示すると↑こういう感じです。笑
しかもこの状態膝の上にサブバッグを抱えて持たなきゃいけない。
足は痛くなるし、うとうとすると隣の人にぶつかるし、めちゃくちゃ。
しかも恐ろしかったのが、こんな状態で、果たしてあと何時間移動するのか、どこまで行くのかが全く分からないという点。
このとき、僕はこの旅始まって以来の最大級の恐怖と絶望を感じました。
辛そうな顔しているとそれをバカにしてゲラゲラ笑ってくるウザめのスタッフも同乗しており、行動を共にしていた日本人の女の子は、後ろの席でシクシク泣いていました。
ごめん、もはや俺にはどうすることもできん・・・
これがThis is Africaなのか・・・
しかし他の現地アフリカ人を見ると、同じように頭を抱えていました。
おそらくみんな話がちげえよ状態になっていたようです。
更にもう一人の同行者の友達(このときは3人行動)は、一番後ろの座席だったのですが、途中、屋根から雨漏りするという事態に襲われていたそうです。
もうやばい、辛すぎるという酷い精神状態に追い込まれたそうですが、隣に座っていたアフリカ人を見ると、自分の座席よりも雨漏りのレベルが遥かに酷く、全身ビショビショになっていたとか。
それでも我慢する現地人。
そんな状況を見ながら、僕らも頑張らなきゃいかんと思うようになり、道中はBLUE HEARTSのメドレーを聴きながら自分を奮い立たせてひたすら耐えました。
アフリカ旅中に理不尽な事態が起きたら、ブルハを聞くのがおすすめです。
そして広大なサバンナを走り続け、ブルースが加速していき、
気が付けば8時間が経過・・・
不安の中生まれる恍惚感
タンザニア中部のカハマ(Kahama)という街でバスは停車し、
もうダルエスサラームまでは行けないからここで降りろ
と言われました。
体はボロボロでしたが、ムカつきながら案内されたバス会社のオフィスへ行き、文句を言うと、何か事故かトラブルがあって、ダルエスサラーム行きのバスが来れなくなった模様。
チケットはそのままで良いので、明日の早朝発のバスへ乗り換えて欲しいとのことでした。
<世界一周54か国目>
タンザニア(Tanzania)
通貨:タンザニアシリング
為替:100円 = 約2,100シリング(2019年2月)
<現在地はここ>
どこやねーん!!という街。
右上がカハマのバスターミナルで、一泊したのが下の方にピンを立てた宿。
事前になんのチェックもしていなかった街で、英語もあんまり通じませんでしたが、なんとかチェックインできたのでとりあえず体を休めることに。
SIMカードもそこら辺の露店で手に入りました・
SIMカード+10GB分の通信量: 12,000シリング(約569円)
SIMカード屋に、ちょうど同じバスに乗ってきたルワンダ人がいて、英語が通じたのでちょっと話したのですが、こんな酷い目に遭ったのは初めてだぜみたいなことを言ってました。
自分達だけじゃなくみんな辛い思いをしてるんですね。
バスターミナルは屋台街になっていました。
夕暮れから人が集まり、盛り上がり始め、なんか楽しい感じです。
屋台好きの僕らは当然ここで晩飯を食います。
テンションの高い兄ちゃんが華麗な鍋さばきでオムレツを作ってくれました。
そしてタンザニアならではの、キリマンジャロビール。
予定が狂い、自分がどうしてこんな場所にいるのかも分かりませんでしたが、妙に旅情をかきたてられ、これぞ旅か!と思ってしまいました。
長く旅していて思いましたが、目的地である有名なスポットよりも、そこへ向かう途中に立ち寄ったこういった得体の知れない場所の方が、旅している感が強くて、好きだったりします。
今でもこのカハマの屋台で飯を食ったときの光景を鮮明に思い出すことがあるんですよね。
危険都市ダルエスサラームへ夜中に到着
翌朝出発したバスは普通の大型バスでした。
助かった・・・
移動時間は長いですが、これなら普通に耐えられます。
ただし、同行者の女の子が、まさかの南京虫にやられてましたので、アフリカのバスではそういうこともあるんだと注意してください。
アフリカの長距離バスの車窓からの眺め。
窓の外から大勢の物売りたちが買え買えと商品を押し付けてきます。
途中、ゴミを投げ入れて来る輩もいたりしましたが、そんな時は投げ返してやりましょう。
ちなみにアフリカの長距離移動のお供でおすすめなのはバナナとポップコーン。
そんな感じでダルエスサラーム最大の移動拠点、ウブンゴバスターミナルへ着いたのは夜中の22:00頃。
この街も東アフリカではナイロビに並ぶ、超危険都市といわれていたのでビクビクしていましたが、さっさとバスを降りてバスターミナル横に並ぶホテル街へ入り込み空き部屋探し。
夜遅いこともあり、ほとんどが満室でここでも打ちのめされそうになりましたが、諦めずに総当たりで探しつつけたところ、なんとか2部屋空いてたゲストハウスを見つ出し、逃げ込みました。
という感じでキガリからの地獄の大移動、無事完了です。
この移動で再認識しましたが、国境を跨ぐような長距離をする場合に、無理して一気に通過しようとするのはとても危険だということ。
特に、輸送網が整理されておらず、バス会社もあんまり信用できないようなアフリカではなおさらのことです。
なるべく、休み休み、小刻みに移動するようにしましょう。
でないと想定外の場所で立ち往生することになったり、治安が悪くなる深夜帯に街中を移動しなきゃならない、みたいな事態に遭遇することになります。
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