午前中に少数民族の村ベナへ訪問した後のつづきです。

インドネシアは火山地帯で、多くの温泉があることで有名ですが、ここフローレス島の山奥にはその中でも最高と噂の秘湯があるとのこと。

「トレッキング+温泉」が日本にいるときの最高級の楽しみだった僕なので、これは行かざるを得ません。

秘湯があるのはバジャワからベナ村とは逆方面に行ったソア村というエリアなので、いったんバジャワまで戻ります。

 

山の中でバイクで事故る

山の中のクネクネした道を、あまりスピードを出さないように慎重に走ります。

急カーブのときは、視界が塞がれてしまうため、自分の存在を知らせるためにクラクションを鳴らしながら曲がっていきます。

突然前からバイクや車が現れたりするなど、ヒヤッとする瞬間が何度かありました。

 

ベナ村を出て20分くらい走った頃、後ろから3台くらいのバイクが走ってきました。

僕は割とゆっくり走っているので、しょっちゅう現地の方に追い抜かされます。

このときも、ちょっと細い道だったんですが、道を譲るために左側に寄ってスピードを緩めました。

右側を現地の方のバイクがかなり早いスピードを出して走り過ぎていきます。

通り過ぎたのを確認し、アクセルを踏み込もうとした、次の瞬間、

 

突然目の前に黒い影が飛び出してきた。

 

あ、ヤバイ・・・

 

急ブレーキをかけたんですが直前にアクセルもかけたので、車体が浮いてバランスがとれなくなり、そのまま転倒。

体がバイクから投げ出されました。

 

 

何が何だか一瞬訳が分からなくなりましたが、すぐ起き上がれたので、大きな事故にはならなかったっぽい。

前を見ると飛び出してきた黒い影の正体が分かりました。

 

牛ですな。

 

モオォォー・・・

 

フローレス島の山道には飼育されたが結構うろついてます。

たいていは首輪がつけられ木とかに縛られてるのですが、このときの牛は何故か放し飼い。

お牛様もびっくりして転倒してました。

こっちがモーだよ。

状況を把握できた途端、左肩と右足に痛みが走ります。

受け身をとった箇所から血が出てるようでした。

前を見ると先ほど追い抜いていった3台のバイクの若者が戻って助けに来てくれました。

大丈夫か? 動けるか? バイクのエンジンはかかる?

バイクを起こすのを手伝ってもらい、バイクも特に破損とかはしていないのを確認。

この牛か? 牛には気をつけろよ!

 

山道では注意して運転してても、こんなことがあるので、対向車がいないときは道の真ん中を走る方が安全らしいです。

 

こんな狭い道ですからね。

大型車両とかが作業のために停車すると通れなくなっちゃいます。

 

しかし大事故にならなくて良かった・・・

見た目はデニムが破けて血が出たりとかなり痛々しいですが、何とか大丈夫そうです。

とりあえずバジャワの宿に戻ってシャワーを浴び、応急手当をしました。

 

昼飯は、マレーシアのマラッカの宿で日本人のおっちゃんにもらったスパイシーなヌードルで自炊。

辛いです。

怪我したときに辛いものはあまり食べるべきじゃないです。笑

 

アイスティー: 6,000ルピア(約50円)

 

水分なんぞを補給して午後再出発です。

もうこの日は出かけるの止めておいた方がいいんじゃないか?

と一瞬思いましたが、今日行かないと一生行けないと思うし、

温泉につかれば、逆に治療になるんじゃないか、

という発想をしてしまったので、行く気まんまんになってしまいました。

 

秘湯までの険しい道

今度は更に慎重になって、バイクを走らせます。

しかしバジャワから北東方面に40分くらい走った頃、

途中でどしゃぶりの雨が・・・

雨だと滑りやすくなって事故る確率が何倍も高くなります。

特にこんな山の中だと、泥が溶け出して道がグチャグチャになったりするので、危険極まりない。

雨宿りできそうな場所を探すもこのときはなかなか見つからない。

ただ温泉行きたいだけなのに、何でこんなに険しいんだ・・・

 

ちょうど空港のあるポイントまで頑張って走り、雨宿りしました。

全身ずぶ濡れです。

右足から先ほどの怪我の血が滲み出してるのが痛々しいです。

 

びしょびしょの姿でちょっと出血しながら、

温泉はこっちの道で合ってますか!?

と質問してくる東洋人をみんなおかしな奴だと思っていたことでしょう。

 

バジャワの町から少し離れたソア村に実は空港があって、ラブハンバジョからバスと同じくらいの値段で来れてしまいます。

凄く小さな空港です。

温泉もこの空港のすぐ近くにあります。

 

インドネシアの雨は少し待ってれば止みます。

15分くらい空港で雨宿りしてたら晴れたので再出発です。

ちょっと走ると看板が見えてきました。

温泉、温泉、もう少し!

道を走ってると、近くを流れる川から湯気が立ちのぼってました。

ワクワク!

 

山の中に突然現れた秘湯

空港から10分くらい走ってムンゲルダ温泉の入口に到着!

 

ムンゲルダ温泉の場所

 

山の中に突然現れます。

 

入場料は14,000ルピア(約118円)です。

日本の温泉施設とかの相場を考えるとかなり安いですね。

 

子供や、現地の方だともう少し安いようです。

 

中へ入ると庭園みたいなつくりになっていてなかなか良い雰囲気じゃないですか。

この日は平日だったのでお客さんはあまりいなく、広々。

奥の方に一応更衣室がありましたが、僕は最初から水着を着て行きました。

 

流れている川全部が温泉です。

こんなの日本じゃなかなかお目にかかれません。

 

滝もあります。

あったかいので

温泉の滝

です。

ここでバシャバシャ遊んでる人もいました。

 

滝の上の部分がちょうど流れが静かになってて、ゆっくり体をつかれるスペースになっています。

 

みんな服着たままドバドバ入ってます。

僕も海パンになってザブンと一気に入りました。

 

現地の方はレジャーシートやお弁当を持参して、ピクニック感覚で来てます。

 

水も綺麗だし、何より、湯加減がちょうどいい!

たぶん40℃くらいです。

温泉というか、温水プールに近い。

僕は温泉好きなくせに、熱いお湯にずっとつかってることできなかったります。

が、ムンゲルダの湯はずっと入ってられる。

外に出ても暖かいし、超気持ちいいです。

バイク事故で負った怪我にもまったくしみないし、何故か治癒されているような気さえする。笑

結局、2時間くらいこの温泉にいちゃいました。

日中は日差しが強いので、温泉から上がってちょっとくつろいでいれば海パンもすぐ乾きます。

 

ちなみにこれが凄惨なバイク事故の後。

デニムの右足のひざ部分が思い切り破けてめでたくリアル・ダメージ・ジーンズになりました。

そして

赤く滲んでるのは血の後。

もうだいぶ治りましたが、今見ると相当痛々しいです。

(でも短パンじゃなくて本当良かったと思います。)

 

 

さて、このムンゲルダ温泉ですが、温泉好きなら一度は行ってみることをおすすめします。

なかなか広くて、大自然の中、ちょうど良い温度のお湯に長時間つかってられる、凄くいいところ。

僕の場合、温泉の力なのか思い込みの力なのか分かりませんが、怪我にも効いた気がする。

 

バジャワからバイタク(もしくは自分でレンタルして)片道1時間くらい、空港からなら10分くらいです。

ていうか空港からなら歩けるかも。

(乗り合いバンみたいなのも出てました。)

バジャワから行く場合はそれなりに険しい道となりますし、時間が限られている方は空港からアクセスした方が良いかもしれないです。