ちょっとビジネスちっくな話です。
唐突ですが、中国人はお金を信用していません。
お金といっても通貨に対する信用の話ではなく、「紙幣」という媒体に関してです。
中国のお札は最高100CNY(約1,500円)までしかなく、高額紙幣が存在しませんが、普通のお店でこの100元札を出すと嫌がられます。
偽札が横行しているんですね。
ある程度規模のあるお店やホテルとか行くと、カウンターに必ず偽札をチェックする機械が取り付けられてることが分かると思います。
あと破れた紙幣も多く、これは気付かれると受け取ってもらえません。
なお、タクシーとか個人商店で買い物をした際に、お釣りにこういった偽札や破れた紙幣を刷り込ませてくる輩が結構いますのでご注意ください。
そんな感じなので、中国では地下鉄の券売機にお札がまったく入んないので硬貨が欲しいのに手に入りづらかったり、レジでの会計のときにお釣り無いからなるべくぴったり払ってくれとか言われたりと、現金決済に若干難ありで、常に一定種類の紙幣とか硬貨を持って置かないと結構困ります。
そんな現代中国の人々はどうやって決済を行っているんでしょうか。
しばらく北京にいて、都市部における非現金決済の手段大きく2パターンであることが分かりました。
銀聯カード
まずは泣くパンダも黙る銀聯カードです。
日本国内でもいろんなとこでこのロゴを見かけることがあると思いますが、要するに中国のデビットカードです。
使った瞬間に口座から引き落とされますので、信用力が無い人でも持てます。
中国銀聯(CUP:China Union Pay)は、もともとは中国という広大な国における、銀行間のオンライン決済の仕組みを標準化させるために設立された組織ですが、今やこの銀聯カードのブランドを管理する決済組織として有名です。
実は、北京滞在中に気付いたんですが、中国内では普通の国際クレジットカード(日本や他の外国で発行されたVisa、Master、JCBなどのブランドカード)はほとんど使えない。
使えるのは基本的にこの銀聯カードです。
空港や高級ホテル、国際的な企業など、一部を除いて国際クレジットカードは使えません。
日本でも2012〜3年頃くらいから大手カード会社が次々に銀聯カードを発行し出しており、僕も持ってたんですが、日本において来ちゃったんですよね。
結構高めの店で飲んだ時に友達におごろうと思って
「信用卡(シンヨンカー:クレジットカードのこと)使える?」
って聞いたら
「使える使える」
って言われてレジ行ったら
「ごめん銀聯だけアルよ」
てなって泣く泣く現金で払いました。
「信用卡」っていうと、中国では一般的に「銀聯カード」を指します。
バックパッカーとかじゃなく、普通に中国旅行して買い物とかたくさんしたい場合、日本のカード会社で銀聯カードをつくっておくことを強くおすすめします。
スマホのトークアプリっていうと日本ではLINEですが、アジア圏で見るとこのWeChatがシェアを圧倒しています。
中国語では「微信:ウェイシン」って言いますが、開発元も「テンセント」っていう広東省深圳にある中国のIT企業です。
僕はこのアプリがよりヒットした点に、「WeChat Pay」というモバイル決済サービスを付加した点にあると思います。
これが中国での中間所得層の増加、スマートフォンの普及とうまくマッチングした。
どこ行ってもみんなスマホ持ってますからね。
街中でもみんなスマホいじりながら歩いてるし、お店の店員も接客そっちのけでスマホ。
最近の中国の若い人は、飲み会のときも会話せずに何故かスマホいじりまくるそうです。
日本だったら嫌われますよ。
友人は「日本人は食事中にちゃんと相手と会話しようとするから偉いね」なんて中国のおじさんに言われたことがあるそうです。
WeChat Payの使い方は非常に簡単で、アプリのウォレット機能に銀行口座(デビットカード)を登録し、決済する際には相手方のアカウントに送金指示をするだけ。
送金された相手が送金を承諾し、暗証番号を入れるとお金が振り込まれます。
中小規模の飲食店、コンビニや、タクシーなんかでかなり使われています。
↑イメージ
「今お前の口座に100元送金したから確認してくれ。」
飲み会で割り勘したり(中国人は基本割り勘しませんが)、個人間でお金を精算するときにもよく活用されています。
「俺払っとくから後でWeChatで精算するね〜」
みたいな。
日本でもLINE Payを始めモバイル決済技術ってかなり進んでるんですが、普及してるかっていうと微妙です。
一方で中国では北京市内を歩いていて、WeChat Payがかなり普及してると感じました。
決済技術って日本以外の方が普及しやすいのかも
ということで、中国では高額決済は銀聯カード、少額決済はWeChat Payが主流になりつつあります。
中国に長期滞在するならこの2種類の決済手段は必須といえるでしょう。
僕の友人もうまく使いこなしてました。
現金使うより楽だし安全とのことです。
そして中国はこういった決済インフラを自前で固めたことでうまく外国資本を締め出すことに成功しているような気がします。
ちなみにこういった話は、中国に限らず、アジア圏の発展途上国全体に当てはまることだと思います。
欧米先進国は個人信用の歴史が古く、クレジットカードが主流。どこいってもだいたいクレジットが使えます。少し前の金融危機後はデビットカードのシェアも伸びていますね。
日本はとにかく現金主義。クレジットもネット通販や高額な買い物のとき以外はあんまり使わない。出回っている紙幣も綺麗だし、昔から偽札防止のためにハイクオリティな技術が使用されている。治安も良いので財布にたくさんお金入れて出歩いてもリスクが小さい。
一方、アジア圏の途上国では、現金持ち歩くにはリスクが高いし、紙幣も使いづらい。また、個人信用を行えるような経済基盤もまだまだ薄い。したがって、口座・アカウントから直接引き落とせるようなモバイル決済サービスやデビットカードのようなものが普及しやすいんじゃないかと。
日本国内で高い決済技術を有しているのに業績伸び悩んでいる決済事業者の方とか、アジア圏に目を向けてみるのも面白いのかもしれませんね。
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