モンゴルラウンドツアー紹介記事の後編です。
日本の大都会「凍狂」を離れ、ノープランでモンゴルへ旅立った僕を待っていたのは何もない荒野でした。
モンゴルといえばチンギス・ハーンと相撲くらいしか思い浮かびませんでしたが、成り行きで参加したウランバートル発大草原ツアーで、まるでRPGゲームに出てくるフィールドマップのような光景を目の当たりにしたのです。
僕は、都会の雑然さを忘れるため、ドラクエの主人公とかってこんなところを歩きながら街から街へ移動するのか、あいつらマジで大変だなとか物思いにふけつつ、タバコを吹かしながら荒野に身を投じていきます。
前回記事はこちら
以下、前回のつづきから。
3日目
3日目は移動無しで、ひたすら馬に乗ってゲル付近を散策していました。
<ゲルの朝>
大草原の夜明けです。
クソ寒いです。(−5℃くらい。)
ゲルで飼われているお犬様
まずはお犬様に朝の挨拶をして遊んでもらいながら寒さを紛らわすところから1日が始まります。
大草原の中で歯を磨きます。
(当然、歯磨き粉は使いません。)
ゲルのトイレ
モンゴルの郊外では、だいたいこんな離れとして設置してあります。
宿泊したゲルのトイレは屋根もドアもありませんでした。
吹きっさらし。
トイレの中
要するに穴が空いているだけですね。
最初戸惑いましたが、1日で慣れました。
自然から得たものが自然へ帰っていく。
大地への畏怖を感じながら用を足すことができます。
<ひたすら馬に乗る>
乗馬は昔、千葉のマザー牧場の子供だましみたいなやつしか経験がありません。
そうか、あれはポニーでしたね。
モンゴルの馬もやや小さめですが、足は速く、とても強いようです。
モンゴル人は遊牧の騎馬民族。
乗馬のプロです。
10頭くらいいる馬を見事に手なずけています。
さあ、乗れ。
と声がかかると都会から来たこんなサラリーマン崩れでも簡単にまたがって進むことができます。
なかなかいいですね、乗馬。
ただ、掛け声をかけても最初はなかなか思うように進んでくれません。
単に先頭を行くモンゴル人の兄貴に着いて行くだけです。
でも慣れてくると、こちらの意図に基づいて止まったり、方向を変えたり、スピードを上げたりするようになります。
馬は人間を写す鏡
馬と心を通わせるようになれれば、自分の手足のようにうごいてくれるようになるらしいです。
まあ、1日だけじゃ限界がありますけどね!
<オルホンの滝>
ここのゲストハウスには、オルホン・ウォーターフォールという名が付いています。
前回記事のとおり、オルホン渓谷のすぐ側にあり、ちょっと馬で移動すればこの有名な滝を見に行くことができます。
オルホンの滝
落差は25mあるそうです。
モンゴルでこういったガチの滝は、ここくらいらしいです。
虹も出てますね。
モンゴルでは水は貴重です。
オルホンの滝と川の水はとても澄んでおり、普通に飲めます。
昼食はモンゴリアンバーベキュー
昨日マーケットで買った豚肉を豪快に焼いて煮込みます。
硬いけど美味いです。
3日目は馬に乗り過ぎてお尻とももの内側がかなり痛くなりました。
goproで撮った草原の写真
4 日目
ウランバートルへ向かって引き返します。
この日の朝、フィンランド人カップルは昨日行った川でまさかの寒中水泳をしていました。
血行が良くなくるとかで北欧やロシアでは習慣になってますよね。
無論、僕は犬と遊んでました。
<初日に泊まったゲルへ移動>
ウランバートルからかなり遠くまで来てしまっているので、初日に泊まったゲルへ戻ります。
またもや6時間くらいのロングドライブです。
ランチはやっぱり大草原の中で。
カセットコンロで野菜スープをつくりました。
サンド・デューン
「セミ・ゴビ砂漠」とも言われているようです。
「dune」って名前がいいですね。
スターウォーズのような景色が広がります。
ちなみに、スターウォーズの撮影の一部はゴビ砂漠で行われています。
その後、何だか初日と違うところへ向かっていくので不思議に思ってたら、どうやらゲルが少し離れた場所へ引越ししたそうです。
一般的にゲルの引越しには4〜5日くらいかかたりするらしいのです。
<ラクダ様に乗る>
この日はラクダに乗りました。
でかい。
ラクダ可愛いです。
一体何を考えているんでしょうか。
なお、ラクダの肉はとても栄養があるそうです。
目線が高いですね。
ゲルの主人のラクダ使いのおじいちゃんが掛け声をかけるとのっそのっそ歩き出します。
ラクダの毛はフサフサです。
約1時間の乗ラクダでしたが、途中雲行きが怪しくなり、とうとう雪が降ってきました。
めちゃめちゃ寒いです。
ただでさえ低温なのに、雪が降ってくるともう気持ち的に更に温度が低下します。
でも幻想的な風景でもありますよね。
視界が白いモヤで包まれます。
ゲルに戻って暖炉で温まりました。
暖炉にすごいでかい馬糞を突っ込んだら最強に燃え上がってサウナみたいになりました。
夜中、ゲルの主人のおじいちゃん(74歳)が、飼っている羊の群れが勝手にどっか行かないように「ハァッッ!!」「ホアァッッ!!」とかずっと叫んでました。
凄い元気なじいちゃん。
羊たちも反応して鳴き声をあげていました。
トイレ行くために起きて外出てみたら、ゲルの周りで大量の羊が雪に埋まっててちょっと笑った。笑
5日目
<ウランバートルへ帰還>
朝起きると全面雪景色。
羊の鳴き声とじいちゃんの雄叫びで起床です。
ゲルで買ってる子犬
朝なので眠ってます。可愛過ぎます。
凄く人懐っこくて、キャンキャン言いながら近寄ってきます。
フィンランド人の女の子が、「puppyyyyyyyy!!!!」って言いながらずっと抱きしめてました。
そんな感じでゲルを後にし、5時間くらいかけてウランバートルへ移動。
ゲストハウスに着いて4日ぶりにシャワー浴びながら服を洗濯したら水が黒くなってました。
まとめ:ラウンドツアーはこんな感じ
<移動ルート>
<スケジュール>
【1日目】
9:00 ウランバートルのゲストハウスを出発。
マーケットでキャンプ用品を買ったりフスタイ国立公園で野生の馬を見たりしながらサンド・デューンへ移動。
昼食はフスタイ公園近くの丘でサンドウィッチをつくって食べる。
18:00 サンド・デューンのゲルに到着。
夕飯を食べて就寝。
【2日目】
9:00 サンド・デューンのゲルを出発。
11:00 カラコルムへ到着。
博物館や寺院を見学。
カラコルム市内のカフェで昼食。
16:00 オルホンの滝のゲルへ到着。
川を見たり散策して夕食を食べて就寝。
【3日目】
10:00-12:00 乗馬
オルホンの滝を見に行く。
昼食はいったんゲルへ戻りモンゴリアンバーベキューを食べる。
14:00-17:00 再び馬
近くの山の麓まで往復する。
夕飯は軽く食べて就寝。
【4日目】
9:30 オルホンの滝のゲルを出発。
途中、丘の上で野菜スープをつくって食べたりしながらサンド・デューンへ移動。
16:00 サンド・デューン到着。
ワンコと一緒に砂丘に登って遊ぶ。
17:00 サンド・デューンのゲル再訪。
場所が少し移動している。
17:30 -18:30 ラクダに乗る。
途中雪が降ってきて凍える。
夕食はビーフシチュー。
ゲルの主人のじいちゃんが夜通し羊たちに向かって叫んでるのを聞きながら就寝。
【5日目】
8:30 サンド・デューンのゲルを出発。
途中、カフェに寄って昼食をとりつつ、ウランバートルへ移動。
15:00 ゲストハウス到着。
<費用>
合計:240USD
ツアー中の食費などは全てこの代金で賄われます。
また、1日1.5Lの水を1本もらいました。
バックパッカー的な感覚からするとやや高いですが、モンゴルは交通機関が発達していないので、郊外に行って自然を見る場合、こういったツアーへ参加する以外いい方法がありません。
ウランバートル市内の散策だけだったら2〜3日で周りきってしまいます。
また、いろいろ調べてみたところ、だいたい60USD/日くらいが相場のようですが、日本人向けのツアー(日本語ガイドが付く)とかはもう少し高くなるようです。
<必要な装備品(10月)>
・防寒着
今回の10月参加のツアーで僕はこんな服装でした。
- 長袖ヒートテック
- パーカー
- ダウンジャケット
- マウンテンジャケット
- インナータイツ
- 長ズボン
- ニット帽
- ネックウォーマー
- 手袋
日中はダウンジャケットだけでもそんな寒くないですが、10月の朝晩はこれくらい着てないと外出歩くのは厳しいです。
なお、風呂に入れないし、そもそも寒くて乾燥しているから汗かかないので、着替えはそんなに要らないと思います。
ちなみに夏場なら朝晩用の防寒対策だけで良いと思います。
・寝袋
ゲストハウスから厚手のシュラフを1つ借りましたが、持参してきたものも合わせて2つ使いました。
ゲルにはベッドと枕、ブランケットしかありません。
暖炉の火が消えると本当に寒いので、寝袋二重巻にしてその上からブランケットをかけて寝ました。
・ヘッドライト
無いと夜行動できません。
スマホの懐中電灯アプリでもいいかもしれないです。
・トイレットペーパー
1個は必須です。
僕はゲストハウスに置いてきてしまったので、途中マーケットで買いました。
トイレットペーパー1個: 800MRT(約36円)
・モバイルバッテリー
スマホとかのガジェット類持って行く場合は、モバイルバッテリーを充電して持って行った方が良いです。
・消毒用ジェル
基本的に石鹸とか無いので代わりに。
・時間つぶしできるもの
ドライブがめちゃめちゃ長いので、音楽聴いたり読書できるようにしとくと良いです。
僕は移動中はほぼ寝てるか、iPadのkindleアプリで本読んでました。
・その他
お菓子とかお茶とか持って行ってみんなとシェアすると盛り上がれます。
日本のお菓子とかいいんじゃないんでしょうかね?
世界一周旅行者の場合、基本的に持ち物全部持って行っちゃえば足りると思われます。
<感想>
【良かった点】
- さすがに4泊5日荒野にいたのでキャンプ慣れした。
- 寒さ耐性ができた。
- 英語のコミュニケーション力が向上した。
こんなところでしょうか。
僕は日本でしょっちゅう登山とかしてましたが、それより遥かにワイルドな生活でした。
日本で染み付いた生ぬるい生活習慣とか見事剥ぎ取られましたね。
英語に関してですが、このツアー中だけでも少なくとも以下のテーマについて英語で議論したと思います。
- 旅の予定
- 家族
- 食べ物
- スポーツ
- 若者のライフスタイル
- 宗教
- 政治
- 地理
- 仕事
- 社会問題
- 将来の夢 etc・・・
いやあ、みんな博識でしたね。
語学以外にもいろいろ勉強になりました。
フィンランド人の女の子なんか生物学者なので動植物の知識が凄かったし、モンゴル人ガイドも各国の文化や宗教についてよく勉強しています。
会社員時代に居酒屋で愚痴言いながら飲んでるときよりも遥かに高尚なディスカッションの場だったと思います。
目を覚まされました。
ツアー代が若干高いのは、プチ留学費用だと思えば納得です。
いろんな耐性ができたので旅の最初にこれに参加したのは凄く良かったんじゃないかと思います。
まあ
寒かったですけども。
10月でこのレベルだと真冬の12〜1月とかどんなことになるんでしょうね?
【反省点】
- もう少しゲルの主人たちとコミュニケーションを取りたかった。
- 一眼レフの撮影の不慣れ。
ゲルの方々は朝晩以外ほぼ外に出ていてあんまりコミュニケーションとれなかったです。
一方朝晩は寒過ぎて自分があんまり活動できなかったってこともあります。
あと、星空が凄くて、一眼レフを活用したかったんですが慣れてなくていい写真が撮れず。
これから練習が必要です。
ハンディカムの方はなかなかいい材料が撮れたと思いますので、これから動画編集頑張ります。
10月のこのシーズンは冬に入り、観光客が少なくなるので、基本ゲストハウスもツアーも空いています。
アレンジもしてもらいやすいでしょう。
寒いですが、混雑が嫌な人にはオススメなんじゃないでしょうか?
(実際、この記事書いているときも、ゲストハウスに僕含めて2人しか泊まってない状態です。)
でも僕は次参加するなら夏場がいいですね。
人間も動物なので、寒いとやっぱり行動力が低下します。
ゴビ砂漠も行ってみたい。
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