リアルタイムでは香港を抜けて中国の南寧経由でベトナムのハナイに着きました。
一気に街並みが雑然としてきて、大量のバイクが行き交う道路を横断するのも大変ですが、僕は東南アジアのこのカオス感の方が好きです。
さて、前回の続きですが、中国本土から香港まで渡ってきて、その違いを肌で感じて結構びっくりしました。
主な違い
<中国本土>
- 建物はとにかくでかい。
- 道もばか広い。
- マナーは日本人からするとめちゃめちゃ。痰やタバコの吸殻、ゴミとかそこら中に捨てまくる。
- 基本的に列には並ばない。電車の乗り降りも大変。
- 接客は雑(というかあんまりやる気が無い。笑)。
- 道路を横断するときに車は止まってくれない。轢かれそうになる。
- 英語はほぼ通じない。
でも別に悪気はなく、素朴で良い人が多いです。
高速鉄道とかで一緒の寝台部屋になった人が、ありとあらゆる食べ物をくれたりします。
日本との関係が複雑なときには、反日デモだとかの映像をよく見ましたが、多くの中国人にとっては、そもそも日本に対してそれ程興味は無いんじゃないですかね。
<香港>
- 狭い土地に建物がびっしり。
- 道路も狭く、人にぶつかりそうになりながら二階建てトラムバスが走り回る。
- タバコは灰皿へ、ゴミはゴミ箱へ。
- きちんと列に並ぶ。
- 接客はフレンドリーな感じ。
- 道路を横断するときに車が止まってくれる。
- 元英国領な上、街全体が観光地で外国人が多いこともあり、お店の店員は結構英語が通じる。
全然違う国みたいです。
欧米式の教育を受けた人が多く、自分の意見を論理的にズバズバ言う人が多い。
全体的に忙しく、キビキビしている雰囲気。
写真は北京北駅ですが、高速鉄道の駅も巨大で、空港みたいな感じです。
地下鉄も各都市でガンガン開発しています。
一党独裁の政治体制で、人民には土地の所有権が無く(使用権という形で政府から借ります。)、国が思うように開発を進められることのメリットですね。
中国式のトイレ
これはゲストハウスの綺麗なやつですが、街中にある公衆トイレとかは相当汚いことが多いです。
どうやったらそんなでかいものが出せるんだみたいなう◯こがそのまま放置されているとかザラにあります。
写真なんか撮れません。
綺麗なところは綺麗なんですが、汚いところは思いっきり汚い。
香港の街並み。
僕はこの雑然とした感じがとても好きです。
食べ物も美味しいし便利だしで居心地が良いです。
でも物価がとても高いです。
香港は1840年のアヘン戦争後に清王朝から英国に割譲されて植民地となり、19世紀〜20世紀前半にかけて、中国内の内乱や日中戦争から逃れてきた多数の難民が住み着いて発展してきた都市です。
イギリスの影響を強く受けた民主主義が根付いており、資源は無いため古くは中継貿易、近年では金融業に力を入れ、できる限り規制を緩和した自由経済を徹底することで富を築いてきました。
このような複雑な歴史を背景にもっているため、香港人は「自分は香港人だ」という強固なアイデンティティを持っている方が非常に多く見受けられます。
戦後、共産党の一党独裁体制を続けてきた中国本土とは、何から何までマインドが異なるのです。
「中国」と一緒のくくりにしてしまうと、激怒されることがあるので注意が必要です。
香港では、中国本土を「メインランド」と呼び、明確に区別しています。
(逆に本土の方も香港人を自分たちとは異なる国の人間と認識しています。)
1997年の中国への返還時には、富裕層を中心に非常に多くの香港人がイギリス国籍の取得と移住を要望したとのこと。
明らかに異なる文化をもった国に吸収されることを強く恐れたのです。
そして返還時には、「1国2制度」という香港における高度な自治権の維持を条件として中国領へ復帰しました。
しかし徐々に変化が訪れてきております。
雨傘運動
2014年に起こった反政府デモなんで、記憶に新しいものと思います。
発端は、2017年に実施される予定だった香港普通選挙について、本土の共産党政府が約束を反故にしたことにあります。
激怒した学生達が授業をボイコット、香港島の中環(セントラル)を占拠し、長期間のデモを行いました。
警官隊が催涙ガスなどで学生を排除しようとしたところ、彼らは雨傘で対抗したため、「雨傘運動」と名付けられました。
最終的には、本土政府の息がかかった香港行政長官の指令で強制排除が行われ、運動を主体的に指導していた若者達は逮捕されます。
つい最近、学生リーダーの方に有罪判決が出ていますね。
中国本土内でもたびたび反政府デモが発生していますが、香港で同様なことが起こったということは僕にとっては非常に衝撃的でした。
ついに香港が香港でなくなっていくフラグが立ってしまってわけですから。
香港が香港であるのはもう長くないのかも
この後運動を指揮していた者や政府批判を行うジャーナリストは危険因子と見なされ次々排除されていきました。
久しぶりに訪れた香港の街中は平和に見えますが、何か以前と違った印象を受けました。
香港自体の中国本土への経済依存度も年々高くなり、本土からの観光客やビジネスマンも非常に増えています。
もはや表立って政府を批判をする人は見えなくなってしまったんでしょうか。
もしかしたら今まで慣れ親しんできた香港が見られるのはもう長くないのかもしれません。
何だか切ない気分になりますね。
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