チョトマテチョトマテお兄さん!

ベリーチープ!

ミルダケタダ。

 

やかましい、そんなもん要らんわ!

 

ナンデヤネン!

 

メインバザールをうろつきながら、こんなやりとりを何十回繰り返したでしょうか。

しかしインドの都会は本当に疲れる。

 

デリーの人口は世界トップクラスの規模。

デリーの大気汚染度(PM2.5)は基準値の約2.5倍。

世界ワーストクラスの汚れっぷり。

 

大量に行き交う人々、数に限りがない物乞い、次から次へと話しかけてくる詐欺師達、道のど真ん中に突然現れる牛、走り回る野犬、クラクションを鳴らしまくりながら平気で人に突進してくるリクシャー、宙に舞い一瞬で衣類を埃まみれにする粉塵、そこら中に溢れるゴミや動物達の糞で、オールドデリーの道は絶対に真っ直ぐ歩けません。

僕も滞在2日目で、ベッドから起き上がるのも億劫になってきました。

西や南インドが懐かしい。

 

 

コンノートプレイス周辺。

この辺りから南側はニューデリーの本当にニューの部分で、道がよく整備されています。

 

コンノートプレイスの公園は一目を忍んでいちゃつくカップルの溜まり場。

エアコンが効いた近代的なカフェやレストラン、バー、ファーストフード店、ブランドショップなども集まっています。

 

さらに、外国人や富裕層が居住しているハウツ・カズ、ディフェンスコロニー、グレーターカイラッシュなどのエリアまで行けば、普通の欧米先進国の都市部と同じような環境になり、更に快適になります。

しかし物価は激高!

駅からも遠いし、バックパッカーが滞在するような場所ではありません。

 

仕方ないのでのろのろと起きてシャワーを浴びてメインバザールの宿を出てメトロや徒歩で回れるエリアを散策します。

 

 

まずはインド門!

 

何この人の数・・・

歩いているだけでいろんな客引きに捕まるし。

 

レッド・フォーとことラールキラー!

 

入場料500ルピー(約863円)!

高いわ!

 

友人から、中に入るとガッカリするので外から眺めるのが一番と教わっていたのでここも門まで。

まあ、ラールキラーはメトロの駅からバザールを通って徒歩で行けるんですが、その道がカオス過ぎて、到着時点で観光する意欲が0になりました。

リクシャーと7回くらいぶつかりましたし。

インド人に3回くらいキレましたし。

 

 

 

どっかお金がかからず、落ち着けるような場所はないもんか・・・

と情報を調べていると、気になるスポットを発見。

インドにはチベットから亡命してきた人々がたくさん住んでいるのですが、その入植地がデリーにもあり、インドらしからぬ空気を体験できるとのこと。

そのエリアの名前はマジュヌカティラ(Majun Ka Tilla)。

もうデリーでやることもないしそこへ行ってみることにしました。

 

マジュヌカティラへの行き方

まずメトロのイエローラインに乗って、Vidhan Sabhaという駅まで行きます。

ニューデリー駅からだったら5駅目。

 

駅を出るとこんな感じでリクシャーがスタンバイしています。

外国人を見ると、

マジュヌカディラ?

と聞かれるのであとは交渉してください。

ぼられてなければ乗り合いで10ルピー(約17円)で行けるはずです。

 

降ろされたところにある歩道橋を渡ります。

歩道橋にはタルチョがびっしり。

非インド感が漂ってきます。

ここから先がチベットコロニー。

 

マジュヌカティラの場所

オールドデリーのちょっと北です。

 

オールドデリーの異空間・リトルチベット

歩道橋の北側にはこんなゲートが。

Tibetan Refugee Colony「チベット難民居留地」。

歩いている人もインド人ではなく、顔立ちが日本人とよく似たチベットの方々。

突然異空間に放り込まれたような気分になりますが、何だかほっとします。

 

細い路地を少し進むと広場があり、チベット寺が。

チベット仏教のお坊さんがうろうろしています。

 

落ち着きます。

 

日本人としてはインド・ヒンドゥーの混沌とした空気よりこういった方がやっぱり合うんでしょうか。

 

さらに進むと川に出ました!

ここにもたくさんのタルチョが。

川辺は相変わらず汚いですが、チベット人の子供たちが元気よく遊んでました。

 

 

その後、ちょうど昼どきだったので何かレストランが無いかな〜と探してウロウロしてたところ、何故かお店が全部閉まってる。

仕方なくオシャレな感じのカフェの前で写真を撮ろうとしてると、一人のチベット人らしきおっちゃんが話しかけてきました。

 

今日はチベットのニューイヤーだからお店はだいたいクローズしてるよ!

えぇ〜そうなんですか・・・知らなかった。

君はこのカフェのデザイン好き?

はい、お洒落だから写真撮ろうかと思ってたんですよ。

そうかい、中入りなよ!おいでおいで!

 

これがデリーの街中でインド人に言われたら100%絶対信用しないですが、何か普通の真面目そうなチベットのおっちゃんだったのでついていくことに。

 

おお!!

インドにはなさそうな落ち着いた内装とお洒落な家具。

高原地帯のロッジにいるような雰囲気。

 

壁にはラサのポタラ宮の絵画が。

当然、ダライ・ラマの写真も奥に飾ってありました。

 

カフェかと思ってたら、実はここはゲストハウスも兼ねているようです。

オーナーさんは亡命チベット人の2世なので、生まれも育ちもインド。

親族から聞かされるチベットの話は知っていても、身を持って体験した訳ではないので、昨今のチベットを取り巻く政治的状況については結構客観的に見られているようです。

ゲストハウスには本土の中国の方も結構泊まっており、仲良さげに話していました。

 

なんとミルクティーをいただきました!

インドの甘〜いチャイではなく、日本で飲むような落ち着いた味。

やっぱり茶はこのテイストが好き。

超リラックス。

 

 

そして話し込んでいるうちに、近くに住んでいるチベット僧や他の外国人観光客が集まってきて、店がクローズしているのにも関わらず大盛り上がり。

追加でコーヒーやらクッキーなどのお菓子やらビールまでご馳走いただきました。

 

今日はニューイヤーでお店は閉まっているけど、めでたい日だからあるものでもてなすよ!

 

オーナーのおっちゃんめっちゃいい人!

 

そんな、今回偶然訪問させていただいた、ホスピタリティ溢れるお店はこちら。

Kham Coffee House

 

僕はサンタナを予約しちゃってたんで泊まりませんでしたが、シングル500ルピー(約865円)でいいよ!と言われました。

 

チベタンコロニー、亡命居住区なので重々しい雰囲気が漂っていると思いきや、結構賑やかでみなさん楽しく生活しています。

(もちろんこの地ができた背景にはいろいろなことがあり、胸に秘めている思いもあるはずですが・・・)

不思議と凄く落ち着く場所です。

また、ヒンドゥーではないので、牛、豚も食べられる。

レストランではビールも出してくれる。

このときはお店が閉まっていたので行かなかったですが、何とチベット名物の牛タン料理も食べられるそうです。

 

インドの喧騒に疲れたときには、このデリーにぽっかりと空いた異空間、マジュヌカティラへ滞在してみるのも良いですね!