みなさま明けましておめでとうございます。
前回の記事にも少し書きましたが、年が明けてこれから世界一周へ旅立つ方も多くなってくるとも思われますので、タイのスネークファームでの予防接種の受け方などをまとめた記事を書いてみました。
行かれる方は少し参考にしてみてください。
世界一周準備のうち最も重要でかつお金がかかることといえば予防接種。
地球全体を見回してみれば、日本のように清潔で病気への感染リスクが少ない地域はとても稀です。
発展途上国をはじめ、最悪死に至る可能性のある感染症ウイルスもまだまだ撲滅できていません。
世界一周するようなバックパッカーの場合、節約旅になるため、衛生環境の悪い食堂、屋台、安宿などへ行くことも多いでしょう。
となるとやはり予防接種は重要。
旅を安全に楽しむためにも予防接種は必ず受けましょう。
予防接種は旅立ち前に日本で受けていくのが一番間違いないですが、料金が高かったり半年以上の時間がかかったりするケースがあります。
そこで日本以外の病院で予防接種を受けるという選択肢が出てくるのですが、その中で旅人の間で有名なのが、タイ・バンコクのスネークファーム赤十字病院。
世界一周・アジアから西周りというと、だいたい旅の序盤でタイに立ち寄るためここで予防接種を受ける方がとても多いです。
まあ、一定の医療水準のある他の国でも受けられるんですが、タイのスネークファームは、
- 外国人向けのトラベル・クリニックとなっているため世界一周旅行者の診療に慣れている。
- ワクチン代が安い(日本で受ける場合の約1/3)。
などの理由で人気があるようです。
僕の場合は、日本で受けても良かったんですが、世界一周を決意してから予防接種に行く時間的な余裕が全然無かったためタイで受けてみることにしました。
1.予防接種の種類
「注射によるワクチン接種」という意味でいうと、旅に序盤で接種する予防接種はだいたい次のような感じではないでしょうか。
黄熱病
地域:アフリカ、中南米
症状:発熱、寒気、頭痛、筋肉痛、嘔吐
感染方法:主に蚊に刺される等
※アフリカ、中南米などでは、黄熱病の予防接種証明証(通称イエローカードと呼ばれているもの)が無いと入国できない国も多い。
狂犬病
地域:全世界
症状:感染した場合、全身痙攣・麻痺を起こした後にほぼ100%死に至る
感染方法:犬、狐、猿、コウモリ等に噛まれる
※予防接種していた場合でも、噛まれた場合は念のため2回ほどワクチンを打つことになります。一方、予防接種していない場合は5回ほどワクチンを打つ必要があり、感染が成立する可能性も限りなく高いです。
この点、狂犬病は噛まれてもワクチン接種が必要だから事前に予防接種する意味があまりないじゃんと勘違いされている方がいますが、予防接種しているのとしていないのではリスクがまったく異なります。
途上国などではその辺に野生の動物がうろついていて人間に危害を加えることも珍しくないため、狂犬病の予防接種は必ずしておくべきと思います。
A 型肝炎
地域:全世界
症状:発熱、寒気、頭痛、筋肉痛、嘔吐、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)
感染方法:汚染された飲食物を口に入れる
B型肝炎
地域:全世界
症状:発熱、寒気、頭痛、筋肉痛、嘔吐、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)
感染方法:主に性交渉、その他血液を介して(輸血など)
腸チフス
地域:全世界(特に南アジア、アフリカ)
症状:発熱、寒気、頭痛、嘔吐
感染方法:汚染された飲食物を口に入れる
日本脳炎
地域:東アジア、東南アジア、南アジア
症状:発熱、寒気、頭痛、嘔吐、痙攣、意識障害
感染方法:主に蚊に刺される等
破傷風
地域:全世界
症状:喉が狭まり硬直、歩行障害、痙攣、最悪の場合呼吸困難を起こした後死に至る
感染方法:傷口から
この他、コレラやマラリアの予防も重要ですが、基本的に経口薬となり、感染リスクのある地域へ渡航する前、または滞在中に服用する形が一般的かと思われます。
2.スネークファームへの行き方
タイ赤十字病院の場所
MRTのシーロム(Si Lom)駅又はサムヤン(Sam Yan)駅、BTSのサラディーン(Sala Daeng)駅で降りれば歩いてすぐです。
鉄道が通ってないカオサンから来る場合は、最寄りのデモクラシーモニュメント付近のバス停から47番のバスに乗ると、スネークファーム前まで行きます。
入口はこんな感じ。
敷地内に入って少し進みます。
大きな中庭に建っているこの白い建物が一般診療や予防接種を受けられる棟になります。
スネークファームへの入場ゲートと隣接しています。
分からなければその辺歩いている看護師さんとかに
ワクチン! ワクチン!
とか言っていれば連れて行ってもらえると思います。
病院内には旅人向けの世界各地の感染情報等が掲示されており、とても参考になります。
3.受診の流れ
建物の中に入ると左右に部屋が並んでいる長い廊下があると思います。
フロアの見取り図はこんな感じです。
大通りから来ると、おそらく図でいう左又は上から建物に入ることになると思います。
で、図の中央のロビーから右に向かって廊下を眺めたときに風景がこんな感じ。
予防接種を受ける際に利用するのは、図でいう①②④⑤の部屋になります。
部屋①:受付
病院に来たらまず①の部屋で受付になります。
ドアの外に整理券が置いてあるので取ってから中に入ります。
中に入ると受付窓口がありますが、初回診療の場合はまず診察券の作成が必要です。
写真左に初回登録用の申請用紙が置いてあるので記入します。
名前、年齢、職業などの基本情報。
トラベル・クリニックなので、旅のスタイルやどこの地域に旅行予定なのか記入します。
世界一周旅行者の場合は、「Around the World」とか書いておけば大丈夫です。
そういう人がたくさん訪れている場所ですので。
今まで受けている予防接種の情報など。
子供の頃のことなど覚えていない人が多いと思いますので、その場合は適当に。
最近日本やその他の外国で受けたことがある場合は記入しましょう。
もしくは予防接種証明証を持ってきて見せればO.K.です。
記入できたら申請用紙とパスポートをここに提出します。
受付が終わると名前を呼ばれて②の部屋へ行くよう指示されます。
部屋②:体温・血圧測定
①の受付の部屋の隣です。
繋がっているのでそのまま入れます。
受付でもらった診察票類を渡して体温・血圧測定を行います。
終わると④の部屋へ行くよう指示されます。
部屋④:問診
④の部屋が診療のメインルームになります。
部屋のつくりはこんな感じ。
診療室や待合用のイスが置かれています。
写真には写ってないですが、入って左側に受付があり、看護師さんが1〜2名いるので診察票類を渡すと手前のドクターの部屋へ行けと言われます。
並んで待ってると名前を呼ばれるので中へ入ります。
ドクターの問診
過去、数々の伝説の旅人達を世界に送り出して来たドクターの問診を受けます。
超大御所ですね。
とても面白いおじいちゃんできちんと英語で説明をしてくれます。
そして渡航予定国などの情報を伝え、どの予防接種を受けるか決めます。
ここで重要なのが、事前にどの予防接種を受けたいかある程度整理しておき、その意思をはっきり伝えることです。
旅人の相手をすることに慣れているだけに、何となくうなづいていると勝手にどのワクチンを受けるかどんどん決められてしまいます。
(まあ、僕は大御所だけに言うこと聞いておいた方がいいと思ってできる限り従いましたが。)
部屋⑤:ワクチン購入
接種するワクチンが決まったら、診察票にワクチン名が書かれたスタンプが押されます。
そして問診室から出て少し待っていると、部屋④の受付の看護師さんに名前を呼ばれ、処方箋のような紙を渡されワクチンを買って来るよう指示されます。
ワクチンなどの代金を支払う場所が廊下に出たところにある部屋⑤です。
部屋というか窓口。
ここで紙を提出してお金を払うと、ワクチンをもらえます。
また、毎回かかる問診代などもここで一緒に払います。
部屋④:ワクチン接種
部屋④に戻り受付の看護師さんにレシートを渡し、間違ってないか確認してもらいます。
そして自分でワクチンを持って部屋の奥にある診療室に。
看護師さんに声をかけてどっちか空いている部屋に入ると、あとはテキパキ注射を打ってくれます。
今日は4発だね。
ねえイタイ? イタイ? 笑
みたいなとてもフランクな感じです。
4.2回目以降の受診の流れ
2回目以降は登録が無いので、部屋①の受付窓口に来たら、初回訪問時に作成した診察券と整理券だけを渡します。
後は前回の予防接種証明証(イエローブックと呼ばれる黄色い冊子)や予防接種スケジュール表などを持参して、問診時に見せます。
複数回接種するワクチンがある場合は、その日が何回目なのか等きちんとドクターに説明して間違えないようにします。
5.料金・スケジュール
スネークファームのワクチンの種類、料金表、予防接種スケジュール、有効期間、料金をまとめました。
初回登録料
30バーツ(約97円)
初回のみ発生します。
問診代
50バーツ(約163円)
毎回かかります。
血液検査
900バーツ(約2,938円)
A・B型肝炎のワクチン接種する際に念のため検査するように言われました。
黄熱病(Yellow fever)
ワクチン︰Stamaril
スケジュール︰1回
有効期間:10年間
料金︰1,000バーツ(約3,264円)
狂犬病(Rabies)
ワクチン︰PCEC
スケジュール︰①1回目 ②1回目から7日後 ③1回目から21日-28日後 の計3回
有効期間:3年間
料金︰350バーツ(約1,142円)×3回
A型肝炎+B型肝炎(Hepatitis A + B)
ワクチン︰Twinrix(二種混合)
スケジュール︰①1回目 ②1回目から1か月後 ③1回目から6か月後 の計3回
※渡航前に最低2回までの接種が必要。
有効期間:3回接種で10〜15年間
料金︰1,150バーツ(約3,754円)
腸チフス(Typhoid)
ワクチン︰TYPBAR-PFS
スケジュール︰1回
有効期間 :2年間
料金︰400バーツ(約1,305円)
日本脳炎(Japanese encephalitis)
ワクチン︰IMOJEV
スケジュール︰小児期に接種済みの場合1回 未接種の場合は3回必要
有効期間:4〜5年間
料金︰460バーツ(約1,501円)
破傷風(Tetanus)ジフテリア(Diphtheria)百日咳(Perussis)
ワクチン︰Tdap/Bootrix(三種混合)
スケジュール︰1回
有効期間:破傷風は10年間
料金︰630バーツ(約2,056円)
ちょっと失敗したこと
ズバリ、A型肝炎の予防接種を日本で受けとけば良かったと思いました。
通常A型肝炎のみのワクチンなら1回目を受けて半年後に2回目を受ければ免疫がつきます。
僕の場合、時間が無かったりきちんと考えて無かったりしたせいで日本では何も受けてこなかった一方、インドに行く前にはA型肝炎の免疫をつけておきたかったので、1回目と2回目の間隔が短いA+B混合ワクチン(Twinrix)を受けることにしました。
(Twinrixは2回目を受ければだいたい免疫がつく。)
結果、このせいで血液検査を受けたり、タイに1か月も足止めくらいたくなかったのでタイ以外で2回目を受けなきゃいけないことになったり、いろいろ面倒なことになりました。
一般的な健全な旅人ならA型肝炎のみで良いと思いますので、初回を日本で、半年後2回目をタイで受けるというのが一番スマートな気がします。
もし日本で何も受けていない場合、ドクターは普通A+Bの混合ワクチンを受けるものだと言ってTwinrixをめちゃめちゃすすめてきます。
おまけ:スネークショー
赤十字病院の隣にあるスネークファームは世界有数の毒蛇研究所で、実際にヘビが飼育されていて中を見学することができます。
またスネークショーもやっているということなので見に行ってみました。
スネークファーム入口
<営業時間>
月曜〜金曜: 9:30-15:30
土日祝日: 9:30-13:00
<スネークショーの時間>
平日: 14:30
祝日: 11:00
入場料は本来大人一人200バーツ(約652円)なんですが・・・
僕が2回目の予防接種に行ったとき(2016年12月5日〜7日)は、何と無料でした。
国王誕生日と合わせて連休になるこの期間は、タイ中の様々なものが無料になるようです。
こんな感じで巨大なヘビが飼育されています。
多分アナコンダです。
スネークショー
コブラなどの毒蛇を素手でつかんでました。
ヘビが咬みつこうとしたりすると観客からは悲鳴が。
なかなか面白いです。
今日は無料だからか赤十字病院のナースさん達も見に来ていて、ワイワイ楽しそうに見学してました。
ヘビのぬいぐるみを被った人
コブラ君みたいな感じでしょうか。
スネークファームは普段は入場料が結構しますが、予防接種で緊張した後の気晴らしとかに記念に見に行ってみるのも良いかもしれません。
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[…] ちなみに、価格等は参考にしたHPがありますのでURLを貼っておきますね(URL:http://sorotabi.com/world-journey/thailand-10/)さて、話を戻します。結構立派な建物だと中に入っていったら赤十字病院 […]