〜インド・バラナシ〜

 

聖なるガンジス川が流れるこの街には、毎日インド中から多くの巡礼者と、世界中から観光客が集まる。

聖地が醸し出す神秘的な空気と、充実した宿やお店の存在により、とても居心地が良く、僕も1週間ほど滞在しました。

 

見どころは何といってもガンジス川。

巡礼者たちの多く(と一部の観光客)が朝早くからガンジスの水で身を清めます。

大きく、ゆったりと流れていくガンジスとそこで沐浴する人々を眺めているだけでも不思議な気分になれますが、それだけじゃない。

ガンジス川のメインガート周辺では、毎晩、ヒンドゥーの頂点に立つ司祭バラモンによるプージャというお祈りの儀式が行われます。

 

 

儀式はだいたい日暮れ頃からスタート。

 

メインガート沿いに多くの人々が集まりだします。

 

ろうそくに火が灯され、幻想的な雰囲気が周囲を包み出す。

 

バラモンの方々が歌いながらお祈りを始めます。

僕の中では、バラモンの司祭様は長年の修行を積んだご老人ってイメージだったのですが、意外にみなさんお若い。

そして男前です。

 

会場は主に2箇所あり、ここでは5人のバラモン達が壇上に立ってプージャを行っていました。

 

あらゆる方向を向いて踊っていただけるので、どこに座っていてもその様子を見ることができます。

また、近くからの写真撮影も、迷惑にならない程度であればO.K.

 

バラモン達のお祈りもそうですが、流れる音楽、歌のリズムがなかなか楽しい気分になれるようなもので、僕はすっかり魅入ってしまいました。

毎回同じ内容ですが、宿から近いので滞在中3回見に行きました。

 

儀式の最中ヤギが迷い込んで客の荷物を食べようとして棒で叩かれて追い出されるなど、相変わらず混沌としてますが、一見の価値ありのイベントです。

見物料は特に不要。

バラナシに来たら是非見に行ってください。

 

聖なるガンジス川。

聖なる川ですが、大腸菌の数がインド政府基準値の150倍とかに及んでおり、水質は非常に危険な状況。

そりゃゴミとか人の死体とか流しまくってますからね・・・

 

一応この装置で浄化して水道水として街中に送り込まれているらしいです。

ということはバラナシに来て、

ガンジス川の水には触れないようにしよう!

と思っててもたぶん無理です。

この街で使われている水の大半は、元はガンジスのものであるようです。

洗濯業者もこの川で衣類やベッドシーツなどを洗っています。

これはどんな高級ホテル泊まっても同じらしいです。

 

インドの方々は水浴びするような感覚で川に入ります。

石鹸で体を洗って、そのまま川にドボン。

勢いでお祈りまで済ませちゃう。

 

子供なんかガンジスにダイブしまくってます。

 

とっても楽しそうですね。

その辺で買った音が鳴るワニのおもちゃをあげたら凄い喜んでました。笑

この子達可愛いです!

 

 

 

さて、インド人がガンジス川に入るのは分かりますが、日本人旅行者の多くもここで沐浴にチャレンジします。

で、後日、その多くが発熱や下痢などの体調不良を訴えて、宿で寝込むか病院行きとなります。

実際バラナシの宿では、外出せずに寝込んでいる人がとても多かった。

 

たまに何ともない人もいます。

下半身だけ浸かって、水が体内に入らないよう細心の注意を払っていた人や、もともと免疫があるのか、ガンジス川に思い切りダイブして泳いでもピンピンしてそのまま去っていく人もいます。

まあでもかなり稀だと思います。

 

 

しかし、ちょっと気になったのは、果たして体調不良がガンジス川によるものなのかなってことです。

そもそもインドに来る人は、その多くが旅行中に体調不良に陥ります。

 

まずは食べ物。

基本的に安い食堂や屋台の衛生状態は良くはないですし、高級レストランであっても、日本人にはちと刺激の強いスパイス料理ばかりが出されます。

生野菜や食堂で出される水なんかも食中毒を起こす可能性があります。

そして旅のストレス。

バスや寝台列車などによるハードな移動や、しつこい客引きやリクシャードライバー、詐欺師インド人との喧嘩などで、この国では体力をごっそり持っていかれます。

 

特に、日本からやって来たばかりの短期旅行者の場合、環境がいきなりインド水準に変わるので、ショックもでかい。

つまり旅のかなり早い段階で体調を壊すことが多い。

一方、何か月もアジアの別の国を旅しながらインドに辿り着いた長期旅行者の場合、ある程度免疫ができているので、インド旅の序盤は大丈夫なことが多いです。

しかし、旅慣れている分、辺境地に行ったり、屋台飯が多くなったり、旅がハードになりがちで、次第に疲れとストレスがたまっていき、気を抜いた瞬間一気に負荷が来る。

 

この体調不良に陥るタイミングが、バラナシ訪問時と重なっている可能性も結構あるんじゃないのかなと思います。

したがって、既に一度体調を壊している人は、このタイミングが重ならないので、逆に大丈夫な可能性が”比較的”高いんじゃないかとも・・・

 

僕がバラナシで会った人達の中では、

まだインドで体調壊していないぜ!

と言っていた強気な方ほど、ガンジス川入った後におかしくなっていました。

 

 

さてさて、そんな旅人が高確率で体を壊すバラナシで、僕の友人もガンジスに飛び込みました。

 

うわ、超さみー・・・

前日に雨が降り、いきなり気温が10度くらい低下していた朝。

 

僕は一気に川に入る気が失せました。

うん、腸チフスとか赤痢になる可能性もあるので冷静に考えると止めておいた方が無難です。

移動日だし。

 

よし、向こう岸まで行ってやろう!

いや、川の流れ強くてやっぱ無理だわ!!

 

 

ガンジス川は実はかなり深く、流れも速く、ボートの往来も激しいので、無理な遠泳は止めましょう。

 

そして結局、ガンジス入りした友人はその後酷い状態にはなっていないと聞きます。

(ちなみに二人とも今までに一度お腹壊してる。)

 

一方、川入なかった僕は、油断したのかこの翌日に盛大に体をぶっ壊しました。

恐るべしガンジス川、というかインド。