つかの間のバングラデシュ観光を終え、ネパールに飛んできました。
インドへ再入国して鉄道とバスで行く方法もありますが、僕はルートを戻るのが好きでなく、また、もうインドいいや的な気分になっていたので飛行機を使いました。
そしてここ、ネパールで挑戦するのが、ヒマラヤ・トレッキング。
凄い最初の方で記事にも書いたんですが、この旅で最も行きたい場所の一つが、エベレスト登山の入口である、エベレスト・ベースキャンプ。
日本で登山をやり始めてから、いつか絶対行くと決めていた場所です。
ついにそのときがきたんですね・・・
ネパールにおけるトレッキング
ネパールでトレッキングをする場合、多くの人はエベレスト・ベースキャンプ方面、又はアンナプルナ方面に行きます。
アンナプルナについては、最短3日くらいから2週間以上の、様々なルートでトレッキングすることができ、標高もあまり高くなく高山病になり難いので初心者の方に人気です。
一方、ベースキャンプは最短でも往復に12〜13日はかかり、標高が基本4,000mを超えてくるので高山病になるトレッカーも多い。しかし世界最高峰のエベレストを見ることができる。
今回僕は、そんなベースキャンプのトレッキングに挑みます。
そして、ベースキャンプや、エベレストを望める5,000m超の山であるカラパタール、ゴーキョピークなんかに行くルートを歩くことを、通称エベレスト・トレッキングといいます。
なお、ネパール政府は、標高6,000m未満の山歩きをトレッキング、6,000m以上の山の登頂を目指すことを登山と、それぞれ明確に区別しています。
トレッキングはちょっとお金を払えば誰でも挑戦可能、一方登山の方は、エベレストなら約100万円ともいわれる高額な入山料が必要になります。
また、エベレストもアンナプルナも、トレッキングルートはかなり整備されており、シーズン中は宿泊・食事可能なロッジが無数にあります。
日本アルプスをテント泊で縦走する方がよっぽどハードともいえるかもしれません。
エベレスト・トレッキングのルート
エベレスト街道にどこからアクセスするかによっていくつかパターンがあります。
- カトマンズからルクラまで飛行機で飛ぶ
- カトマンズからジリまでバスで行く
- カトマンズからサレリまでジープで行く
1は最も多く採用されているルートです。ベースキャンプまで往復約2週間でいけますが、ルクラまで飛行機を使うので費用がかかります。
2は最も日数と距離がかかるルートです。復路もジリから帰る場合、1か月近くはみておく必要があります。時間と体力があるコアなトレッカーが選択します。
3はその中間くらいです。
また、行きはジリから、帰りは疲れてるからルクラから飛行機、など、往路と復路でルートを変える人も多いです。
僕の場合、インド入国時にネパールを出る飛行機を既に買ってしまっており、トレッキング開始時点で日程にそこまで余裕がなくなってしまっていた(これはちょっと失敗しました。)ため、オーソドックスに1のルートをとりました。
だいたいこんな感じ。
往路途中、ナムチェ、ディンボチェで高度順応のために2泊ずつ。
復路は一気に駆け下りてきます。
なお、航空券はカトマンズにあるツアーデスクで簡単に買えますが、料金はカトマンズ・ルクラ間で160USDです。
ガイド・ポーター
トレッキングには、ネパール人のガイドやポーター(荷物持ち)を雇うことが多いです。
これにより、体力に不安がある方や、初めてのネパールで不慣れな方でも安心してトレッキングに臨むことができます。
ただし、1日10〜30USDなど、それなりにお金がかかります。
僕の場合、このトレッキングを一人でこなすことを旅の目標としていたため、ガイドもポーターも雇いませんでした。
ロッジの人もみんな片言の英語は話せますし。
宿でルクラまでの往復航空券を買ったこと以外、ツアーデスク等で頼んだものもありません。
ただし、エベレスト街道のように標高が高いエリアのトレッキングはガチで生命の危険を伴うため、ガイドを雇うか、複数人のチームを組んで臨むことをおすすめします。
そして以下からは、完全個人でエベレスト・トレッキング行く際に必要な準備・手続などについて解説していきます。
カトマンズ到着
まずはここからですね。
ご存知のとおり、ネパールのビザはアライバルで簡単に取得できます。
空港でもイミグレの前で簡単に手続できます。
15日間: 25USD
30日間: 40USD
90日間: 100USD
ただし、手書き、又はオンラインで入力したものを印刷した申請書の提出が必要です。
僕はバングラデシュから飛んでくるときにビーマンバングラデシュ航空の機内で申請書が配られ、予め記入しておいたんでスムーズでした。
何も準備していない場合、イミグレ前にあるこの機械でビザ申請フォームに入力し、プリントアウトします。
混雑してたり機械が壊れていたりすることが多いようなので、事前に用意しておく方がいいですね。
その後、大勢のバングラデシュ人に混じってイミグレに並んでると、
入管のスタッフに何人?
と聞かれ、
日本人!
と答えると、列をすっ飛ばして手続してくれました。
得しました。
荷物を受け取り外に出たら、例によってSIMカードをゲットしに。
国際線の到着出口には大手のNepal TelecomとNcellの2社のカウンターが並んでます。
で、僕が買ったのは、Nepal Telecom。
SIMカード(5GB分の通信費込み): 2,400ルピー(約2,586円)
トレッキング中に使いたいなと思って多めの容量を購入しました。
が、先に結論をいってしまうとこのSIMはエベレスト街道ではほぼ使えず。
後で聞いた話によると、Ncellの方が山でも電波入りやすいとか。
ちょっと失敗したっぽいです。
なお、インドからバスで入ってきた場合にも、同様に国境でアライバルビザを取得でき、簡単にネパールへ入国することができます。
タメル地区でトレッキング装備品を揃える
カトマンズに来た旅行者の多くは、安宿が集中しているタメル地区に向かうと思います。
空港からタメル地区へ直接安く行く方法は現在無く、
- プリペイドタクシーを使う
- ちょっと歩いて市内のバスパークまで行くバスを捕まえる
のいずれかの選択になります。
1だと2017年3月現在、タメルまで700ルピー(約754円)でちょっと高い。
2だと20ルピー(約21円)くらいだけど、バス降りた後結局30分くらい歩く。
僕は空港出口で悩んでると、たまたま居合わせた韓国人カップルのバックパッカーに声をかけられ、3人でシェアすることにしました。
30分くらいでタメル地区に到着。
宿にチェックインして、早速トレッキング準備にとりかかります。
タメル地区にはこんな感じでアウトドアショップがいたるところにあるので、トレッキングに必要なものは全て揃います。
THE NORTH FACEやMAMMUT(の偽物)の中から、好きなものを選びましょう。
そしてきちんとした高級店以外は必ず値引き可能なので交渉してみましょう。
高くても1アイテム1,000ルピー未満で買えると思います。
防寒具
- マウンテンジャケット(日本から持参)
- ダウンジャケット(日本から持参)
- ジップパーカー(日本から持参)
- ニット帽(タメルで購入)
- ネックウォーマー(タメルで購入)
- 手袋(タメルで購入)
- トレッキングパンツ(タメルで購入)
- インナータイツ(日本から持参)
僕はニット帽、手袋(厚手のもの)、トレッキングパンツをタメルで購入しました。
日本から持ってきたもので重宝したのはインナータイツ。
標高が高いエリアでの朝晩の冷え込みは半端じゃないです。
その他、Tシャツ(標高が低い場所では半袖、高い場所で長袖)、パンツ2枚、寝るとき用の長ズボンを持って行きました。
どうせシャワーも浴びるつもりもなかったので、着替えはほぼ無し。
トレッキングシューズ
これは新たには買わず、日本からはいてきたローカットのハイキングシューズをそのまま持って行きました。
結論として、エベレスト街道の単純往復(ルクラ〜エベレスト・ベースキャンプ+カラパタール)であれば何とかなりました。
ただし、標高の高いところは岩だらけで足場が悪く、足をくじいてしまうリスクもあるので、なるべくミドル〜ハイカットの頑丈なブーツの方が良いと思います。
また、僕は持って行かなかったのですが、あった方がよいものがサンダル。
ロッジ内なんかを歩く際にトレッキングブーツだと結構面倒です。
寝袋
これは宿で1日50ルピー(約53円)でレンタルしました。
ロッジにはブランケットもありますが、それだけだと寒いことも。
撮影機材
- デジタル一眼レフ+三脚
- ハンディカム
- GoPro
荷物が重くなる原因ですが、ひととおりですね。
せっかくのトレッキングですもんね!
携行食
- ビスケット、チョコレート、ナッツ類など9袋
- ポカリなど粉末状のスポーツドリンク
- 水筒
全部タメルで購入したものか、同じ宿でトレッキングから帰ってきた人からのもらいもの。
僕の場合昼ごはんは主にこれらのスナックをかじってました。
2週間ならこれで足ります。
トレッキングルートで買うと標高が上がるに連れてどんどん高くなるので、カトマンズか、せめてナムチェ辺りで買っていった方がよいでしょう。
また、水筒は、寝る前にロッジでお湯を入れてもらい、湯たんぽ代わりに使うことでめちゃめちゃ役立ちました。
ガイドブック類
- 地球の歩き方
- トレッキングマップ
- TIMS
地球の歩き方はバングラデシュの宿に置いてあったものをいただきました。
加えて、一応細かいマップをタメルの本屋で購入。
TIMSはガイドブックではなく、トレッキングルートに入るための登録証です。(後述)
また、ロッジでの時間つぶしのために、文庫本とかあるとよいと思います。
高山病の薬
これは絶対持って行ってください。
タメルでそこら中に売ってますが、基本ダイアモックスという錠剤になると思います。
予防のために半錠、治療のために1錠という感じで飲みます。
低濃度酸素症とも呼ばれる高山病は、頭痛、嘔吐、目眩、手足のむくみ、睡眠障害と、なってしまうと非常に辛い症状が発生し、最悪死に至ることも珍しくありません。
そんで症状が酷い場合、もはや下山するしか治療方法が無いのですが、この薬を持っているのとそうじゃないのとでは全然違います。
なお、これを服用すると、水分を体外に出そうと強い利尿作用が起こるので、十分な水分補給とセットになります。
これらをメインバックに突っ込んだ結果、合計12Kg。
これは結構重いです。
自分で荷物を全て持つ場合、本来、10Kg以下に抑えた方がいいと思います。
ちなみに要らないものやPCなどは、全部宿に置いていきました。
タメルにある宿では、たいてい荷物を預かってくれます。
TIMSカード
エベレスト・トレッキングに行く場合、タメルでやっておく必要がある手続があります。
それが、ネパールトレッキング協会が管理するTIMS(Trekkers’ Information Management System)への登録とTIMSカードの発行。
宿やツアーデスクで代行してもらうこともできますが、個人でトレッキングする場合、自分でやってしまった方が早いです。
ネパール・ツーリズム・ボードという事務所で手続できます。
Nepal Tourism Boardの場所
タメルから歩って20〜30分くらいです。
こんな建物です。
中に入ったら左手の方に進みます。
こんな感じで、カウンターがあってツーリストが並んでます。
どの方面のトレッキング(エベレスト・ベースキャンプなのかアンナプルナなのか等)に行くかによって手続内容が異なるので案内に従ってください。
Entry PointやExit Point、Route of Trekkingなどの記入が求められるので、事前にルートを確認しておきましょう。
また、Contact Personはたいてい宿かツアーデスクの連絡先になると思うのでこれもメモしていおきましょう。
その他、保険関係など、細かい内容もありますが、割と適当でも大丈夫そうでした。
さらに証明写真が2枚必要になりますが、この場でも撮影することができます。
TIMSの登録料は2,000ルピー(約2,147円)でした。
これ以外にトレッキングルートのナムチェの少し前で、国立公園入場料として約300ルピー取られる箇所があります。
あとはTIMSカードにも必要事項を記入し、スタンプを押してもらって返してもらいます。
失くさないように大切に保管して持って行きます。
こんな感じで準備O.K.です。
あとは出発までタメルで美味しいご飯を食べたりしてくつろいでおきましょう。
トレッキング中はかなり過酷な環境になりますんで・・・
チベット料理のトゥクパ
そば、うどんみたいな感じの食べ物です。
僕はこれが凄い好きだった。
ネパールの地酒トゥンバ
発行したキビにお湯を注いで、湧き出た汁を飲むもの。
熱燗みたいで美味いです。
値段も80ルピー(約85円)とかで安く、お湯を何回も注いで飲めるのでコスパが高いしおすすめ。
ネパールに行ったら是非これを飲んでみてください。
さて、次回からいよいよトレッキング本編です。
全4回くらい、情報系記事ではなく、珍しく僕の感情を入れつつ、日記風でお送りします。
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