さて、今回から、コーカサスに来たら絶対行ってみたかった場所、ナゴルノ・カラバフという国を少し紹介します。
え、どこそれ?
って感じの国ですが、ナゴルノ・カラバフは、アルメニアとアゼルバイジャンの間くらいにある未承認国家です。
え、未承認国家?
そうです、ナゴルノカラバフのことを客観的に要約すると、
アゼルバイジャン領土に住んでたアルメニア人が独立してそう名乗っている国
です。
ナゴルノ・カラバフって何ぞ?
<ナゴルノ・カラバフの場所>
ここら辺です。
一応、首都はステパナケルトという街。
ここはもともとアルメニア人達が多く住んでおり、旧ソ連時代から自治州となっていましたが、ソ連崩壊後にアルメニアとの合流を求めてナゴルノ・カラバフ共和国として独立しました。
独立運動に際して発生したナゴルノ・カラバフ戦争では、多くの方が犠牲になったそう。
停戦後は、ナゴルノ・カラバフはアルメニアとの関係を深めており、この地域は実質アルメニア人が実行支配するエリアとなっています。
この結果、アゼルバイジャンとアルメニアは犬猿の仲。
お互いに酷く憎しみ合っています。
当然アゼルバイジャン側からナゴルノ・カラバフへ入国することは不可能で、アルメニア側からしか入れない。
現在、ナゴルノ・カラバフの独立を承認しているのは、同じような未承認国家であるアブハジア、南オセチア、沿ドニエストルのみです。
さて、ここでアルメニアとナゴルノ・カラバフの国旗を見てみましょう。
これがアルメニアの国旗です。
こちらがナゴルノ・カラバフの国境。
よく似ていますが、アルメニアの国旗に何かデジタルな感じの亀裂が入ってます。
これで、アルメニアから切り離された地を意味しているらしいです。
ナゴルノ・カラバフのアルメニア人達としては本来アルメニアに帰属したかったんでしょう。
そんな未承認国家ナゴルノ・カラバフ。
紛争地域であり、日本外務省の渡航情報でも危険レベル3(渡航中止勧告)が出ています。
が、ここに行った旅人達の情報をまとめると、
アゼルバイジャンとの国境方面に行かなければ安全だし、素朴で自然が美しい凄く良いところ
とのことだったんで、旅人的には大丈夫だろうと判断して行ってみることにしました。
ナゴルノ・カラバフのビザについて
ナゴルノ・カラバフへ行くには、一応ビザが必要になります。
そしてそのビザの取り方は以下の2通り。
- アルメニアのエレバンにあるナゴルノカラバフ大使館で事前に取得。
- 入国後にステパナケルトにあるナゴルノカラバフ外務省で取得
ただし、2の方法だと入国してから、原則その日中の17:00までに現地外務省へ行く必要があるとのこと。
僕らの場合、エレバンの大使館にいる女性がかなりカワイイと聞いたため、ステパナケルトの到着時間がいまいち見えず、何かトラブったら嫌だと思い、1の方法を取ることに。
大使館でビザ申請
エレバンのここら辺にナゴルノカラバフ大使館があります。
カスカード展望台より北の、住宅街みたいな場所。
バスやマルシュでも行けるらしいんですが、よく分からなかったので僕らはメトロのBarekamoution駅から30分くらいかけて歩きました。
※ちなみに、後述の受け取り時には、市内中心からタクシーを使ったんですが、1,000ドラム(約232円)くらいでした。
ということで面倒な人はタクシー使っちゃうのが早いです。
こちらが大使館の建物。
なかなか立派です。
中に入ると警備員がいるので、ビザを取得しに来た旨伝えます。
すると二階の事務室へ案内され、担当のおばちゃんと話をすることになります。
カワイイ女の子と代わってもらえますか?
ビザの申請をしたいのですが?
あら、随分大勢で来たのね。
(このときは総勢6人。)
一体誰がヘッドなの?
私は誰と話をすればいいの?
じゃあ僕でお願いします。
ということでいろいろ説明してもらった申請書。
訪問都市名と、滞在期間、滞在先ホテルは事前にチェックしおきましょう。
よく分からなければ、質問すれば丁寧に教えてもらえます。
ここで注意しなければならないのが、この後、アゼルバイジャンへ行く予定がある方。
最初に書いたとおり、アゼルバイジャンとアルメニアはここナゴルノ・カラバフの地を巡って領土紛争中です。
もし、パスポートにナゴルノ・カラバフビザがある場合、アゼルバイジャンへ入国することはできません。
※一方アルメニアのスタンプがあっても嫌な顔はされるかもしれませんがアゼルバイジャンへ入国することは可能です。
もし今後アゼルバイジャンへ行く予定のある人は、ビザはパスポートに貼らないようお願いしましょう。
なお、僕らのときは、何も言わなくともビザは別紙で渡されるよう説明を受けました。
ということでパスポートホールドは無し。
申請書だけ渡してビザ代を払います。
ナゴルノカラバフのビザ代: 3,000ドラム(約697円)
ビザは当日15:00〜16:00までの間に受け取りに来るよう指示され、午前中に無事申請完了。
大使館でビザ受け取り
申請後は、昼ご飯食ってしばらく市街地をブラブラしてました。
意外に時間がない。
そしてタクシーを拾ってまた大使館へ。
ナゴルノカラバフ大使館の周囲はこんな感じの普通の住宅街になってます。
と思ったらこんな味のある不思議な形のマンションを発見!
カスカード展望台の頂上から更にちょっと登った辺り。
下から見た図。
居住者はあまりいないっぽい。
旧ソ連圏の、こういった退廃感のある建物が超好物です。
そして15:00過ぎくらいに大使館へ再訪問。
噂のカワイイ大使館員の女の子がこんな感じでビザを完全別紙でくれました。
僕+5人みたいな書き方でした。
こんな大勢でビザ申請しに来る人はそんなにいないと思うんで、彼女が一生懸命フォーマットを手作りしてくれたんだと思うと若干興奮とても好感を覚えました。
1人の場合、たぶんシールでもらえると思います。
また、このビザの他に、滞在登録証というものももらえます。
これはナゴルノカラバフ出国時に必要となりますので、ビザと合わせて大切に保管しましょう。
そんな訳で
- 午前中に申請
- 当日午後15:00以降受け取り
というスケジュールでビザゲットできました。
運が良ければその場で発行してくれることもあるらしいです。
エレバンからステパナケルトへの行き方
エレバンからナゴルノ・カラバフへ入るルートは、①メインの南側世界遺産タテブ方面を経由するルートと、②北側のセヴァン湖方面を経由するルートの2つがあるようです。
こんな感じ。
ただし、エレバンのキリキアバスターミナルからナゴルノ・カラバフの首都ステパナケルトへ直接向かう場合は、①のルートになるようです。
ということで出発当日の朝9:30頃、キリキアバスターミナルへ。
写真のとおりナゴルノ・カラバフのシンボル、我らが山の看板も建ってます。
ここのバスターミナルとケバブ屋には3回くらいお世話になりました。
情報では、ここからステパナケルト行きのミニバスが出ているとのことでしたが・・・
今日はもうステパナケルト行きのバスはフィニッシュだよ!
本来8:00、9:00、10:00でバスがあるはずなんですが、この日は何故か9:00で終了したらしい。
近くにステパナケルトへ行こうとしているアルメニア人がいたんですが、10:00のバスが無いなんて初めてだとか。
仕方なくタクシーチャーターを試みることに。
大勢だとこういうことができるのが強みです。
その辺にいたドライバーと交渉して7,000ドラム(約1,628円)でまとまりました。
なお、バスの場合は、
エレバン → ステパナケルトまでのミニバス: 5,000ドラム(約1,163円)
で移動可能です。
チャーターしたタクシーは、7人乗りのミニバン。
荷物を中に載せられないので、東南アジア以来の屋根積み。
荷物カバーが既にナゴルノカラバフ全開です。
無事、エレバンのキリキアバスターミナルを10:00頃に出発。
途中の売店で買った、アララトというアルメニアのタバコ。
デザイ的にはマルボロをオマージュしていると思います。
ちなみにアルメニアは、コーカサスの中でタバコが一番安いです。
1箱400ドラム(約93円)くらいと、100円切る値段で買えます。
昼寝している犬。
アルメニアの夏は乾燥していてかなり暑いです。
普通に日中は40℃近くなることもあります。
脱水症状には気をつけましょう。
僕は毎日アイスキャンディーを食べてました。
なんやかんやで16:00頃に検問へ到着。
検問所にはアルメニアとナゴルノ・カラバフの国旗が並んではためいています。
ここでパスポートとビザを提出し、チェックを受けます。
その後、特にスタンプとかも押されることなく手続終了。
ビザと一緒にもらった滞在登録証を出国時に提出するよう言われます。
最終的にステパナケルトに着いたのはそれから1時間半後くらい。
所要7時間強ってところ。
もう現地の外務省は閉まっていましたので、やっぱり事前にビザを取っておいて正解でした。
もし、エレバンから出発して現地でビザを取得する場合は、なるべく朝一のミニバス(8:00くらい)に乗った方が良さそうです。
つづく
もし記事がお役に立ちましたらシェアをお願いします。
[…] 未承認国家ナゴルノ・カラバフのビザ取得方法とエレバンからステパナケルトへの行き方[ナゴルノ・カラバフ1] | そろ旅 […]