バガンはカンボジアのアンコール・ワット、インドネシアのボロブドゥールと合わせて世界三大仏教遺跡に数えられています。

大小無数のパゴダが建造されたのは11〜13世紀頃とのこと。

それくらい凄い場所。

僕はアンコール・ワットには2回、今年のGWにはボロブドゥールにも行ったのでこれで3箇所全てに行ったことになります。

しかしこの中で実はバガンだけは世界遺産に登録されてない。

正確にいうと申請はしたんですが、却下されました。

理由としては、歴史地区内にゴルフ場や高速道路をつくっただの、元の原型を無視した方法でパゴダを修復しているだの、軍事政権時代に結構やらかしちゃってるものがあるようです。

確かにパゴダの中に突然普通の家で敷かれてるようなタイルがあったり、妙な電飾がキラキラ輝いていたりとか、違和感に遭遇することがあります。

まあ、それはさておき、景観が美しいことは間違いないこのオールド・バガンで一番有名なサンライズ及びサンセット・ビューポイントらしい場所のShwesandaw Pagodaというところへ行ってみます。

 

 

Shwesandaw Pagodaの場所

 

高いパゴダで周囲からもよく見え、朝夕は混雑するのですぐ分かると思います。

 

下から見上げたShwesandaw Pagoda

 

でかい。

これは見晴らしが良いわけです。

時刻は17:00。日の入りは18:30らしいのですが、既に観光客が集まってきていたので、自分の場所を取るために急いで最上段まで登ります。

登りきってみると、そこには期待を裏切らない光景が。

 

美しい。

 

このパゴダと草原の組み合わせがまさにミャンマーの風景といった感じです。

 

夕日編

夕暮れが近づくとどんどん人が増えてきて、下の段まで人でいっぱいになってしまいました。

中国の団体ツアー客もここに来るようで、撮影機材を持ったおばちゃん達が陣取りスタンバイし始めます。

ちなみに僕の座ってる周りもぎゅうぎゅうで、油断してると下に落ちそうな状態です。

 

そして待つこと1時間半・・・

 

 

太陽が沈み始めます。

それに照らされた大地が金色に輝く。

僕はその光景に息を飲み、言葉を失いました。

幻想的で、何か人間の世界ではないものを見ているような。

よく童話なんかで、夕暮れどきは異世界へつながる入口として描写されたりしますが、まさにそんな感じ。

今自分は、神の世界を覗き込んでいるんじゃないか?

絶景を見ると一瞬思考が止まってしまう瞬間があります。

バガンの夕日を見たとき、僕は少しの間思考を止めました。

 

徐々に暗くなっていく大地。

ひたすらボーッと眺め続けます。

ずっと見ていても一切飽きない。

しばらくして、ふと、そういえばこの景色はずっと昔から変わらないんだろうなあというようなことを考えました。

(ゴルフ場はできたかもしれないですが。)

この太陽と草原とパゴダがつくり出す光景を、何十年も毎日繰り返している。

 

人間は変わっていってしまうから、変わらないものに憧れを抱いたりします。

大自然や、古い遺跡を見て感動するとき、そういった気持が根底にあるような気がします。

 

 

 

 

で、ビデオカメラを開けっ放しにしておいたのでこの夕日もバッチリ撮影できました。

動画、結構いい感じに撮れていました。

 

ニャウンウーに戻り、夜、レストラン街に行ってみます。

真っ暗な夜でもここだけ明るくて気になってた場所。

行ってみると、外国人観光客向けの小綺麗なレストランが立ち並んでました。

ミャンマーの伝統料理から、BBQ、西洋風のステーキやハンバーガーまで何でもある。

そして高い!

最低1品5,000チャット(約428円)くらい、高いと15,000チャット(約1,284円)とか普通にある。

お店の前の看板には「HAPPY HOUR」とかいう久々に聞く用語も。

レストランの中は欧米人観光客で賑わっています。

 

ああ、これは僕的にはまずい傾向。

カンボジア・シェムリアップのパブストリートを思い出しました。

まだ全然小規模で、静かですが、バガンが開発されていくとここがバーストリートにみたいになる可能性が高いんじゃないでしょうか。

 

場所はこの、Thi Ri Pyitsaya 4 Streetという通り。

近くにはリゾート系ホテルもちらほら。

 

ツーリストレストランにはなるべく入りたくないなと思いながら、通りの端まで歩いていくと、ミャンマー人だけで盛り上がってる店が1軒。

良さそうなところを見つけました。

 

ミャンマーチキンカレー: 1,500チャット(約128円)

 

疲れると油を摂取したくなります。

ミャンマーカレーは本当はまる。

 

マンダレービール(ブルーラベル)大瓶: 2,000チャット(約171円)

 

いろいろミャンマーのビール飲んでみて、このマンダレーブルーが一番気に入りました。

フルーティな感じで南国の気候に良く合うと思います。

 

ミャンマーの男性がよく吸ってる巻きタバコ

1本100: チャット(約8円)

 

安いしなかなか無くならないし経済的と思いきや、味はほぼ無い。

みんなこれ吸ってる。

 

サッカーというか、セパタクローみたいなのしてる人がたくさんいました。

 

朝日編

翌朝は朝日も見に行ってしまいます。

日の出は6:30ということで、昨日の夕日の混雑具合を考えて4:30に起きて5:30頃にShwesandaw Pagodaに行きました。

すると既に満員。

いい席確保したい方は5:00前には行かれた方がよいと思います。

 

だんだん明るくなり始めました。

話では、サンライズを見るための気球ツアーがあり、朝日の中空を漂い、これまた幻想的な光景を見られるとのこと。

少し待っていると・・・

 

気球が飛び始めました。

日の出にぴったり合わせてくる感じがさすがです。

 

日の出のピーク

 

素晴らしく綺麗です。

真っ暗だった大地に日が差し、草原が霧立ちながら黄金に輝き始めます。

僕の中のアジア絶景ランキングでは、このときバガンの朝日がアンコール・ワットを超えました。

パゴダより高い建物が無い、だだっ広いミャンマーの大草原。

言葉足らずですみませんが、地平線から朝日が昇る光景は、とてもとても神秘的です。

 

こんな場所でゆっくり朝日を見られるとは、本当に贅沢な時間です。

仕事辞めて旅に出なかったらこの光景を見ることも難しかったでしょう。

 

ちなみに調べたところ気球ツアーは軽食付き300USDくらいするらしいです。

リッチツーリストな方用の楽しみ方です。

 

また、Shwesandaw Pagodaは、大きくて見晴らしが良いですが、その分人気があり、観光客がみんな集まってくるのでちょっと騒がしいです。

もっと静かな中でゆっくり夕日や朝日を楽しみたいという方は、その辺にある無数のパゴダの中から、お気に入りの場所を探してみるのもいいかもしれません。

バガンには高い建物が無いので、だいたいどこからでも綺麗な風景を見ることができます。

 

Shwesandaw Pagodaの周囲には、金光客目当てのちょっと高い売店やカフェの屋台が出ています。

こんなところもアンコール・ワットに似てます。

 

ポストカードを売りつけてくる子供もいます。

中には自分でクレヨンで書いたパゴダの絵を売る子もいて、シュール過ぎました。

興味を持ったので、

1枚なら100チャットで買うよ

っていうと

5枚セットで1,000チャットじゃなきゃ駄目

と言われて諦めました。

かなり強気です。

 

 

さて、素晴らしい絶景を見ることができたバガンですが、ちょっとカンボジアのシェムリアップみたいな雰囲気になりつつあることが気になりました。

政府が世界遺産登録頑張ってるんで景観は保持するんだろうけど、もう数年したらニャウンウー辺りに欧米人向けのツーリスト街が出来そうな予感がします。

それも時代の変化なんで仕方ないですが、今の素朴な感じのバガンの雰囲気も、変わらずどこかに残しておいてくれないかな、というのが勝手な願いです。

 

ということで朝日を見た後はもう少しバガン周辺を散策してみます。