成都を拠点に四川省の観光を満喫した後はシルクロードの入口となる新疆ウイグル自治区へ向かいます。
本当は東チベットにも行きたい気持があったのですが、10日間くらいは必要になるようで、今後の旅程に大きな影響が出そうだったので断念しました。
次回中国に来たときにはマストで行きたいと思います。
また、ウイグル自治区へは鉄道でも行くことができますが、48時間もかかる上、飛行機とそこまで大きく値段が変わらないので、成都からウルムチまで飛んでしまうことにしました。
成都 → ウルムチまでの航空券代(中国南方航空): 22,500円
飛行機なら3時間で着きます。
一瞬です。
その後ウルムチで一泊して、そこからは寝台列車で24時間かけてキルギスとの国境近くの街カシュガルまで行きます。
ウルムチ → カシュガルまでの寝台列車代(Ctripで購入): 330元(約5,386円)
気がつくと列車はこんな果てしない砂漠地帯を走っていました。
世界の果てに向かっているような感覚が沸き起こり、ワクワクしてきます。
前日の17:00にウルムチを出発して11:30頃にカシュガルに到着。
カシュガル(Kashgar)
気温:最高27〜32℃ 最低18〜22℃(2017年5月)
ウイグル自治区の大半は砂漠です。
そんな砂漠のど真ん中にあるので、日中の日差しは強く、とても乾燥しています。
とりあえず鉄道駅から宿がある旧市街地へ市バスを使って向かいます。
とても中国だとは思えないカシュガル・オールドシティ
カシュガル観光の中心地は、オールドシティという古い街並みが乗っている旧市街地になります。
何じゃこりゃあ・・・
これが旧市街地近辺に着いて最初の感想。
新疆ウイグル自治区最大の都市ウルムチは中国の他の都市とあまり変わらなかったのですが、ここカシュガルはシルクロード感が出まくりです。
このような古い建物が残されていて、また漢民族の割合が一気に少なくなるので行き交う人々も皆トルコ系のウイグル人です。
使われている言葉も中国語は片言で、現地のウイグル語がメインです。
皆さん中東系の堀が深い顔立ちをしているので、街並みと相まってここが中国とはまったく思えません。
ここで久々に、何だか不思議な世界に迷い込んでしまったというゾクッとする感覚を味わいました。
これなんですよ旅の醍醐味は。
カシュガルの旧市街地オールド・シティは鉄道駅からバスで30分くらい。
ユースホステルなどの安宿もこの近辺に集中しています。
中心部の大きな広場には立派なモスクもあります。
古くから、ここがシルクロードへ続く入口となっていることを改めて感じさせられます。
アザーンが聞こえない街
僕はカシュガル滞在中、強い日差しの中、ひたすらオールドシティ周辺を歩き回っていました。
石畳の街並みはとても綺麗です。
歩いているだけもその不思議な景観に心を奪われてしまいました。
ただ、実際には中国政府の観光地化政策でいろいろ手を入れられているはずです。
政治的な緊張があるエリアですが、街中では子供が無邪気に走り回り、イスラム帽を被ったおじいちゃん達が談笑していたりと、一見平和そうに見えます。
が、ここはご存知のとおり少し前まで武力衝突や自爆テロなんかが頻繁に起こっていた場所。
街歩きをしていてやたら目にするのは、異常なまでの政府による監視。
ウルムチでもそうでしたが、武装警察や軍人の数の多さが、ウイグルが他の中国の都市とは異なる場所であることを教えてくれます。
本当数十メートルおきくらいに見ます。
ある日の朝なんかは、オールドシティ周辺の道路が封鎖され、戦車を引き連れた軍隊が威嚇のためのパレードをしていて驚きました。
また、意外に思ったのが、警察や軍人のほとんどがウイグル人の若い人であること。
ウイグル人がウイグル人を監視しているのを見ると、この地域の現状がかなり複雑に思えてきます。
そして、他のイスラムの国と大きく異なる特徴がもう一つ。
アザーンがまったく聞こえてこない・・・
調べてみると、中国政府は、ウイグルからイスラム教の影響を完全に排除することを目指しており、礼拝もかなり制限、というか禁止されているとか。
古くから中国の王朝の支配を受け、現在はほぼ完全に制圧されてしまっている地。
僕は顔は東アジア人なので、おそらく現地のウイグル人からはぱっと見、漢民族に思われているはずです。
街中を歩いているとたまーに敵意のある眼差しを向けてくる人がいます。
今の状況が政府による抑圧の上につくられたものであることを考えると、この平穏が不気味に思えてきます。
オールドシティの中にはチャイハネやこんなお洒落なカフェもあります。
ただ、こういうのも漢民族や外国人観光客につくられたものなんでしょうね・・・
異文化を感じるバザール
イスラム文化圏といえばバザール。
カシュガルのオールドシティ周辺にも大小様々なお店が並んでいて、ウイグルの伝統工芸品や食料品を眺めているのもなかなか面白いです。
ウイグルの楽器。
店内にはギターっぽい楽器を演奏している人がいました。
そういえば同じ宿にウイグル楽器を研究しに来ている日本人の方もいましたね。
こういう香辛料も中央アジアや中東の雰囲気を感じます。
カシュガルではそこら中にフルーツが売られていて、水々しくて美味しそうです。
軒先でケバブを焼いている光景をいたるところで見ることができます。
でもみなさん焼いた煙を扇風機で通り側にぶっ放してくるので結構危険。
歩いているだけでTシャツが肉臭くなります。
ここはオールドシティの東側にあるカシュガル最大のバザール。
出入口には荷物チェックがあります。
中に入ると衣類や日用生活品を売っているお店がびっしり!
漢字が書かれており、だいたい中国本土から流れてきた製品のようです。
ここで僕は40元(約652円)で小さいショルダーバッグを買いました。
おすすめの宿とかウイグル料理
僕はカシュガルではカシュガル・オールドタウン・ユースホステルという宿に3泊しました。
部屋はドミトリーのみで1泊40元(約652円)でした。
宿はオールドシティの中、西のはずれの方にあります。
スタッフの方々はとても親切で観光情報やキルギスへの行き方について細かく教えてくれました。
シルクロードを旅するバックパッカーも多く泊まっており、情報収集におすすめです。
僕も一人じゃ不安だったのでここで出会った日本人旅人の方と一緒にキルギスへ向かうことにしました。
フロント付近の壁に書かれてたシルクロードの絵が印象的でした。
宿の近くには食堂も何軒かあります。
写真は中央アジアで有名なラグマンという麺料理。
マジで美味いです。
あっさりしていて毎日でも食べられそう。
こんな噴水が綺麗な洒落たレストランもありました。
中華料理とはかなり違いますが、ウイグル料理もとても美味しいので、是非いろいろトライしてみてください。
ご参考までにカシュガル市内の位置関係
さて、そんな感じで次回はいよいよ、この旅最大の難関、中国ウイグル自治区からキルギスへの国境越えに関する情報をお届けします。
つづく
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