さて、ウズベキスタンのヒヴァから国境を超えてついに謎の国家トルクメニスタンへ入国しました。
何度か書いたように、ここは観光ビザの取得が難しく、旅人が容易に入ることができない国。
僕も多くのバックパッカーと同様、トランジットビザという裏技を使い、5日間という限られた期間で駆け抜けます。
情報が流動的で、かつほとんどネットが使えない状態になるため、最近場当たり的に行動している僕もさすがにいろいろと事前情報を集めてから挑みました。
一応、通過ルートはこんな感じ。
というわけで国境を抜けて最初のDay1はさっそくですが、
トルクメニスタンへ、というか中央アジアへ行ってみたい!
と思うきっかけとなった地獄の門へ向かいます。
地獄の門とは、過去にソ連が地層調査をしていた際に事故で溢れ出てきてしまったガスを消そうとして点火したところ、そのまま40年以上燃え続けてしまっているという摩訶不思議なスポット。
トルクメニスタン中心部のダルヴァザという砂漠地帯に、この赤い炎を吹き出して燃える巨大なガスクレーターが存在します。
話を聞いただけでもワクワクしてきますね。
<世界一周19か国目>
トルクメニスタン(Turkmenistan)
通貨:マナト
為替:100円 = 約3.1マナト(2017年6月・公定レート)
こんにちは → サラーム
ありがとう → サグボルン
国境からタシャウスへ
ウズベキスタンから殺風景な荒野の中に建っている真っ白なイミグレオフィスを抜けると、何もない荒野が広がっていました。
いるのは国境を抜けてきた旅行者などを待ち受けるタクシードライバーたち。
ギラギラした目をしながら僕らに近づいてきます。
グヘヘ・・・
タシャウス?
ダルヴァザ?
誰だ貴様は?
ニヤニヤしてないで最安料金で我々を地獄の門まで連れて行きなさい。
と言いたいところですが、競争が働かないのでこういう場所では旅行者の立場は非常に弱いのです。
ここから直接ダルヴァザへ行くと高くなるんでおすすめしません。
ということで、まずは国境最寄りの街タシャウスへ向かうことにしました。
国境 → タシャウスまでのタクシー: 2USD/人
人が集まる場所へ行けば乗合タクシーやバスがでているはずです。
タクシーに降ろされたのは鉄道駅の前。
ここに首都アシガバッド方面へ向かう乗り合いタクシーがたくさん停まっており、これに乗って地獄の門があるダルヴァザで途中下車することができます。
その他、未確認ですが↑のmaps.me上のAwtowokzal(バスターミナルのこと)辺りからアシガバッド行きのバスが出ている気もします。
ただバスは運行が毎日ではないとも聞いていたし、ターミナルの場所が若干離れていたので乗り合いタクシーで行くことに。
ヘイヘイ、ダルヴァザ行くんだろ?
ドライバー達はツーリストがここに行きたがることをよく知っているよう。
タシャウス → ダルヴァザまで: 9USD/人
ちょっと値切りました。
時間帯が遅くなるとタクシーが少なくなって値下げが厳しくなってくるので、お昼までにはタシャウスに着いているといいと思います。
トルクメニスタンは独裁国家と聞いていたので結構抑圧されている雰囲気なのかと思いきや、みんなかなり陽気!
ちなみにロシア語話せる人は多いけど英語はほとんど通じません。
念のためここで1USD=5マナトのレートで10USD両替しときました。
ウズベキスタンと同様、トルクメニスタンでも闇両替が横行しており、その辺にいる人が公式より良いレートで両替してくれます。
1USD=6マナトを越えてくるとかなりいいレートですが、タシャウス周辺はあまり良くなさそう。
また、ここから先、アシガバッドまで大きな売店の類はほぼ無いので、水や食料を買っておきましょう。
(ダルヴァザのチャイハネはちょっと高いので。)
タクシードライバーと喧嘩しながらダルヴァザで途中下車
14:00にタシャウスを出発して17:00頃にダルヴァザのチャイハネ付近へ着きました。
今日の予定は、ここのチャイハネに大きな荷物を置いて必要なものだけを持って徒歩で地獄の門へ。
その後そのまま野宿します。
map.me上には何と地獄の門がDarvaza Fire Crater「Gateway to Hell」という名前で載っています。
何か超カッコイイ、中二病マンガの必殺技の名前みたいですが、この位置がかなり正確なんでマークしておきましょう。
そして道路沿いにチャイハネは数件ありますが、なるべく近いところを拠点にしないとかなり歩くことになります。
タクシーが検問所や鉄道が走っている線路を超えてしまうと行き過ぎなので注意してください。
が、僕らの乗るタクシーは何故か停車せずどんどん先へ進んでいく・・・
行き過ぎ!行き過ぎ!
と切れ気味に言って検問所前のチャイハネまで戻ってもらいました。
俺、戻ったよなあ・・・
せっかく検問所通ったのに・・・
あんたが行き過ぎたんでししょうが。
”2ドル”だ。
え?
Uターンしたんだから追加で”2ドル”だと言っている・・・!
ゴゴゴゴゴ・・・・
ああ、これだからドライバーの人たち嫌なんだ・・・
その後喧嘩してなんやかんやあって結局追加料金は払わなかったけど、僕も、
ここで降ろせ!
とハッキリ言わなかったのでちょっと良くなかったですね。
僕らがチョイスしらチャイハネはここ。
他の店も、ここら辺にあるチャイハネはこんな掘っ建て小屋みたいなやつです。
見逃さないでください。
トイレはこういうボットン便所。
ドアも屋根もありません。
モンゴルが懐かしくなりました。
とりあえずシャシリクとサラダを頼んで休憩します。
ここでは相場よりちょっと高いですが、水、コーラ、ビールなど、おまけに禁止されているはずのタバコも隠れて売られていました。
充電もできるし横になって休むこともできます。
地獄の門へ突入
地獄の門で野宿する場合、日の入りに合わせて到着できる感じで出発するといいです。
この時期(2017年6月)は、だいたい21:30頃に暗くなるはずです。
僕らはチャイハネのおっちゃんに話をつけて荷物を置かせてもらい20:00に出ました。
おっちゃん、俺たち地獄の門に行って来るよ・・・
行きて帰って来れるかな・・?
オーケー5ダラー!
シーユー!
チャイハネの荷物預かり代: 5USD/人
道路から地獄の門がある東の方角へ向かって、こんな何も無い荒野を歩いていきます。
途中マジで方向が分からなくなって不安になります。
とにかくmaps.meが頼り。
うおお、なんじゃこりゃ・・・
ふらふら歩いていると突然巨大なトカゲが姿を現しました。
この辺にはヘビ、トカゲがいて人間を襲うこともあるようなんで注意だそうです。
何も無い場所で毒がある動物に噛まれでもしたらおしまいです。
怖過ぎ。
ダルヴァザ付近には線路が通っています。
ここを超えて3分の1くらい。
日が暮れてきました。
地図上の距離で見ると5kmくらいなのに一向に着く気配がない。
また、地獄の門の方角の空はぼやーっと明るくなっていると聞いていたんですが、全然そんな感じでもない。
これ一人だったらかなり不安になります。
また、途中斜面を3回くらい登るんですが、結構しんどいです。
そして歩き出してから1時間半くらい、視界がほぼ闇に染まってきたときでした。
え、遠くに何か見える・・・
もしやあれが??
テンションがあがり、歩くスピードが上がり、急ぎ足で斜面を降りていきます。
ドドドドドド・・・・!!
こ、これが地獄の門・・・
本当にあったなんて・・・
砂漠の中に突然直径100メートルほどのクレーターが現れ、ゴウゴウと音を立てて炎が燃えています。
まるで世界の終末を予感させるような光景・・・
ククク・・・地獄の門が開いたようだな・・・
これで人類に残された時間もあと僅かだ・・・
ていうか熱っっ!!
そんな、”世界を滅ぼしているごっこ”をして遊べる地獄の門。
今までいろいろな文化遺産、自然遺産、絶景などを見てきましたが、そういうものとは全然ジャンルが異なるものを見た感じでした。
ていうか、久々にかなりハイテンションになりました。
これは凄いですよ・・・
そんで2時間くらい、地獄の門の周囲をぐるぐる回って堪能した後はそのまま野宿。
砂漠地帯なので朝晩はかなり寒いですが地獄の門の近くは熱で暖かくなっているので、野宿が可能なのです。
ちなみに、僕らの他にも観光しに来ている人や野宿している人がそこそこいました。
注意点など
そんな感じで地獄の門までの移動状況をまとめてみましたが、何点か気をつけた方がいいと思う点を最後に。
ダルヴァザへはなるべく早めに向かう
ダルヴァザへはなるはやで向かった方が良いです。
乗り合いタクシーがいなくなったり地獄の門付近の検問所が閉まってしまったりするようです。
ダルヴァザのチャイハネは地獄の門にとにかく近いところをチョイス
一番近いチャイハネから徒歩で1時間半〜2時間です。
そんで日の入りまでに到着するように出発しましょう。
そして帰りに迷わないよう、maps.me上で自分が荷物を置いたチャイハネをマークしておきましょう。
服装とか
地獄の門までの道のりは、足場が悪い砂地やゴツゴツした岩場を歩いていきます。
体に刺さりそうな植物もたくさん生えており、半ズボンやサンダルは危険です。
長ズボンにシューズという装備で行きましょう。
野宿は結構寒い
地獄の門周辺はちょっと暖かい、と言っても風向きによっては熱風が来たり火の粉が飛んできたりするので、近づき過ぎると危険です。
ということでバランスのいい適当なポジションを陣取ることになり、結果、思ってたより暖かくないです。
寝袋なんかがあるといいんですが、僕は無かったので、ウズベキスタンで手に入れたビニールシートの代わりのビニール製のテーブルクロスを敷き、その上に、長ズボン+長袖Tシャツ+パーカー+ダウンを着てマウンテンジャケットをブランケット代わりにして寝ました。
つづく
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